第117話【期末試験の勉強】

「うぅ〜」


俺が数学の練習問題を解いていると隣から唸るような声が聞こえてきた。


「どうしたんだ?」


「もう疲れたよ〜。

少し休憩しようよ〜」


沙耶が俺の家のリビングにある机に突っ伏しながらそう言う。

何か頭から湯気が出ているのが見える気がする。


今日は期末テスト一週間前になったので期末テストに向けて俺の家で紗夜と二人でテスト勉強に勤しんでいた。


「そうだな。

沙耶の集中も完全に切れたみたいだし休憩を挟むか」


「やったー!

おやつおやつ〜」


そう言って台所をあさり出した。

何かこいつ最近カエデに似てきてないか?


「ねぇ、快人くん」


「なんだ?」


「夏休み何して遊ぶ?

海と夏祭りは確定としてほか何かある?」


「おい沙耶さんや、現実逃避はいかんぞ。

夏休みも勉強しないといけないんだからそんなに遊んでばっかりは無理だぞ。

そして沙耶が確定にしてる海と祭りも今回のテスト次第では無しになると思いなさい」


「えー!

快人くんのケチ!

高校二年の夏は一回しかないんだよ!」


「今年と来年を犠牲にして大学の四年間を取るか、今年と来年は遊び倒して違う大学行くかどっちがいいかって話だよ」


「両方!」


「はははっ、君は面白いこと言うんだね〜」


「痛い!痛いよ快人くん!

頭蓋がー!」


俺はにっこり笑顔でアイアンクローをきめる。


「快人くん、冗談!冗談だよ!」


「はぁー」


ため息をつきながら手を離す。


「ちゃんと勉強はするよ?

でもやっぱり勉強ばっかりってのは寂しいし勉強効率のことを考えても適度な遊びは必要だと思うんだよ!」


「わかってるよ。

だから祭りと海はいいよって言ってるじゃないか」


「ちょっと少ないかなぁ〜なんて。

快人くんと付き合ってから初めての夏休みなんだよ」


「んーまあ、言いたいことはわかるし俺も沙耶と遊びたいってのはあるからな〜」


「そうでしょー!」


沙耶がニコニコ笑顔で迫ってくる。

可愛いかよ!


「じゃあこういうのはどうだ?

毎週金曜日にテストをして合格点取れたら日曜日もしくは土曜日と日曜日両方を勉強休みにしよう。

でも合格点取れなかったらその範囲の覚え直しを土曜日と日曜日にするから休みは無しだ」


「んー」


沙耶が真剣に悩み出す。


「ちなみに合格点は?」


「満点と言いたいところだけど九割以上で土曜日、日曜日両方で八割以上で日曜日だけ休みってことでどうだ?」


「わかったよ。

頑張るよ私!」


沙耶は両手を胸の前で握り拳を作り気合を入れる。


おー燃えてるね。

最初からその意気で頑張って欲しかったけど。


「取り敢えず、目の前の期末テストに向けて頑張るよ」


「はーい」


そうして俺達はテスト勉強に戻った。

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