第112話【うわぁぁぁ!】

「ねぇねぇ。

告白の時はどんな感じだったの〜?」


と母さんがめっちゃうざい聞き方で聞いてくる。

沙耶と付き合いだしてから今までどんな感じで告白されたかなどまったく聞かれなかったのが凄く不思議だったがこのパーティーで皆の前で俺を辱めるのが目的だったようだ。

母さん以外のみんなもニヤニヤしながら俺達を見ている。


「黙秘権を行使する!

弁護士を呼べ!

それまで私は何も話さないぞ!」


自分がした告白のセリフや状況を説明するとかどんな罰ゲームだよ。


「却下〜」


「断固拒否する!」


「ケチー」


「ケチで結構」


「もういいわよ。

あんたには聞かない。

ねぇねぇ沙耶ちゃんどんな感じだったの?」


俺が断固拒否したため標的が沙耶に移った。


「えーとですね〜」


沙耶は顔を赤くして照れている。


「沙耶も母さん達に付き合わなくてもいいんだぞ。

出来るなら沙耶にも黙っていてもらえると嬉しい」


と沙耶に言ってみる。

沙耶は照れていはいるが言いたくて仕方がないという顔をしているのでこの願望を聞きいれられることはないだろう。


「そんなのダメだよ!

快人くんのかっこいいとこ皆にも知ってもらわないと!」


ほらやっぱりね。


「じゃあ、勝手にしてください」


俺はそう言って席を立ちこの恥ずかしい会話から抜け出す、、、ことが出来なかった。


「何逃げようとしてるのよ」


と立ち上がった俺の手を掴み本当にあんたは本当に女性か!?と思うほどの力で無理やり椅子に座らされた。


「あんたの話しをする時にあんたがいなくなってどうするのよ」


「もう、煮るなり焼くなり好きしてください」


俺は諦め両手をあげ項垂れた。


「よし!

それでよろしい!

じゃあ、沙耶ちゃんお願い」


「はい!」


それから沙耶はノリノリで俺が沙耶に告白した日のことを皆に説明していく。

俺はそんな中、顔を赤くしながら「うわぁぁぁ」と叫びながら机を叩き「五月蝿い!」と母さんに怒られることしか出来なかった。



「まあ及第点ってとこね」


沙耶の話しを聞いた母さんの第一声である。

お前は何様だ!と思ったが口に出す気力は俺には残されていなかった。


「あらあら、いいじゃない。

ちゃんと自分の悪い所が分かっているのはいい事だと思うわよ」


「そうですね。

見えだけはられて実際はクズってのが一番困りますからね」


「沙耶ちゃんはお気に召したそうですしいいじゃありませんか」


他のお母様達は結構俺を褒めてくれていた。


「はい!

私は満足です!」


「「「「「青春ね〜」」」」」


お母様達はそう言って昔を思い出しているのか遠い目をした。

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