第92話【集団下校】

〈はい、もしもし母さん〉


昼休み、いつものように沙耶と昼飯を取っていると母さんから電話が来た。


〈快人、カエデにももう言ったけど私今日帰り遅くなるから。

ちゃんと鍵閉めてインターホンなっても絶対に出たらダメよ。

あと、帰りもちゃんと沙耶ちゃんを家まで送るのよ。

今日中にどうにかして、明日には今回の件が片付くように頑張るからもう少し我慢してね〉


〈うん、わかった。

俺のために頑張ってくれるのは嬉しいけど、あんまり無理して倒れたりしないでくれよ〉


小学生かよ!とツッコミそうになったが、今の俺の状況を考えると仕方ないと思い素直に返事をする。


てか、明日には今回の件を片付けるって早くないか?

どんなことするんだろう?


キーンコーンカーンコーン


ホームルームが終わり、帰る準備をする。


「なあ、快人、今日は俺達も一緒に帰るよ」


ジンがそう言ってタク、奈緒、木下さんが俺の席に来る。


「いや、やめたほうがいいだろ?

多分、外にはいっぱい変なやつらいるぞ?」


「だからこそだろ。

お前達二人だったら何かされるかもしれなくても俺達が一緒にいればその確率は下がるだろ」


「でも、お前達にそこまで迷惑をかける訳には行かんだろ」


「俺達は友達だろ?

迷惑だと思うな、これが当たり前だ」


「快人くん、今回は皆に甘えようよ。

何かあってからじゃ遅いのも事実だし。

逆の立場だったら快人くんも皆んなの力になりたいって思うでしょ?」


沙耶の言ってることは尤もだと思う。

俺もジン達が困っていたら助けたいと思うしな。


「わかった。

みんな、よろしく頼むよ」


「よしきた!」


それから俺達はカエデと琴音ちゃんと合流してみんなで松本家まで沙耶を送り、松本家から近い木下さんと別れ後のジン、タク、奈緒、琴音ちゃんが俺とカエデを家まで送ってくれた。


「今日はありがとう。

本当に助かったよ」


「困った時はお互い様だろ?

気にするな。

明日もやばそうなら連絡しろよ」


「ああ、わかった」


「皆さんありがとうございました」


「じゃあ、また明日」


「おう」


「おつかれ」


「バイバイ」


「おつかれさまです」


挨拶をして四人は帰って行った。


「お兄ちゃん、今日は皆に頼んで本当に良かったね」


「そうだな。

チラホラ話しかけようとしてたやつらがいたからな。

大人数だったから話しかけてこなかったけど。

少なかったら危なかったかもな」


「早く解決するといいね」


「そうだな」


今日は一日家で大人しくするように言われているのでカエデと二人でソファーに座りながらそんな会話をして過ごした。

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