第18話【待ち】

「カエデにリビングで遊んでてって言われたけど何する?」


リビングには、テレビやソファーといった一般的なものしか置いていないので遊べるものはない。


「そうですね〜。

とりあえずテレビでも見ながら何かお話ししましょうか」


「ま、それしかないわな」


俺と松本さんはソファーに座りテレビをつけ、適当なバラエティー番組をかけた。


「そういえば、日曜日ってどこ行きたいとかあるの?」


曜日は決めてたがどこに行くかは全く決めていなかったことを思い出したので聞いてみた。


「やっぱり、ショッピングかな?

映画もいいねぇ〜。

快人くんはどっか行きたいとことかないの?」


「俺かぁ〜。

ん〜特にはないかな」


「え〜。

つまんない。

何か案だして!」


「じゃあ、松本さんの家行ってみたい」


あ、やばい!


何も考えずに言ってしまった。


これは嫌がられるのでわ?


「ん?うちかぁ〜。

よし!いいよ。

お母さんも快人くんに会いたいって言ってたし一石二鳥だね!

あ、でもあんまり大きい家とかじゃないから期待しないでね」


了承は貰えたが、松本さんのお母さんに会うのかぁ〜緊張するなぁ〜。


松本さんは俺の事どんなふうに言ってるんだろう?


そう、気になったので聞いてみる。


「松本さん、松本さんのお母さんに俺の事どんなふうに伝えてるの?」


「ん?

そのままだよ。

快人くんっていう好きな人が出来たから今その人にアピールしてる。

もしかしたら、モデルの仕事辞めないといけなくなるかもだけどごめんね。

って感じ」


松本さんがたまにする「ん?」って小首を傾げるの可愛いな!


まぁ、毎度の事ながら絶対に言わないが。


「本当にそのままだね。

松本さんのお母さんは、なんて言ってるの?

それに、モデル辞めることも大丈夫って言ってるの?」


「「いいわねぇ〜青春してて。

その子また連れてきなさい。

私からもあなたを押してあげるわ」って言ってるよ。

モデルのことに関しては「モデルの仕事に関しては他者に迷惑がかからない範囲であなたの好きにしなさい」って言っている」


押してあげるわってどんなことするんだろ?


楽しみなような怖いような微妙な感じだなぁ。


「松本さんのお母さんは理解のある人なんだね」


「うん。

基本的には優しくていい人だよ」


「ただいま〜」


あ、母さんが帰ってきたみたいだ。

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