第161話 そういうことなら

「桜雪課長、課員の有給消化状況3名ほど5日に満たないので…」

「そうなの? 取得を促しておきます」

 有給消化5日は遵守させるようである。

 僕は9日取得済みなので問題ない。

「問題…ない?」

 僕の取得日数10日になっている。

 総務に間違っているよと伝えると…

「……もう10日で申請しちゃった…申請書いらないから、もう1日休んでもらえます?」

「そういうことなら」


 喜んで休もう。

 クリスマスイブに。


「桜雪、オマエ来週の予定どうなってる?」

 他部署の部長が日程の確認をしてくる。

「金曜以外は出社します…外出予定はなし」

「24日いないの?」

「いない、隠れクリスチャンだから、クリスマスをこっそり祝う派」

「なんでいねぇの‼」

「隠れクリスチャンだから‼」

「なんだソレ、隠れなくていいだろ、キリシタンじゃねぇのか」

「おなじ意味だろ…公にしていないという点では同じこと、12月はクリスチャン」

「公にしちゃったじゃん」

「……弾圧には屈しない、徹底抗戦」


 そういうわけで休もうと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る