第158話 ありがとう…かな

 数年前に『ケサラン・パサラン』を捕まえた。

 錠剤の空き瓶に保管し自動車に、お守り代わりに置いておいた。

 たまに思い出しては見ていたのだ。

 車を買い替えるかな~と検討を始めている今日この頃。


 話変わって、最近『幽霊探知機』を購入した。

 バイト先のホテルに出るとか見たとか?そんな話をホテルの人から聞いたのだ。

 清掃の合間に作動させたが、ほとんどの部屋にはいないようだ。

 1室だけ反応したが…。


「はっ? この探知機は妖怪にも反応するのだろうか?」

 車の『ケサラン・パサラン』で試そう‼


「おや?」

『ケサラン・パサラン』は消えていた。

 跡形もなくだ。

 いた痕跡すらねぇ。

 綿毛の1本も残してない。

『おしろい』を食べるというのだが、持ってないのでパウダーをたまに補充していたのだ。

 それすら無い。


 空瓶には探知機は反応しなかった。


 1度も事故に遭わなかったが、『ケサラン・パサラン』のおかげだったのだろうか?


 何かの種子だとは思うが…まぁちょっと不思議な気持ちになった。

「とりあえず、ありがとうございました…なのかな」

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