第154話 そこに乗る?

『チョビさん』猫としては標準より、やや大きめである。

 逝ってしまった『クロさん』が、やたらとデカかったので小柄に思えていただけであったのだ。

 そんな『チョビさん』僕の上に乗るのが好きなのだ。

 重いし痛いし…

『チョビさん』は、とにかくよく鳴く。

 階段を上りながら鳴き、風呂場の前で鳴く、目が覚めると何時で在ろうとも無関係に鳴く。

『桜雪ー‼ 僕、起きたよー‼』

『桜雪ー‼ 僕も寝るよー‼』

 そして、寝るときは寒いと布団に潜り込むのだが、頭の上で右から入るか、左から入るかウロウロと悩む、僕はその間、布団を捲ったままフリーズするのだ。

 腕が痛いし…寒いし…


 そして『チョビさん』乗る場所を変えてきた。

 僕の肩である。

 バランスが…いや、それ以前に重いし…痛いし…

「キツネリスか…」

 有名アニメのヒロインが手懐けた肩が定位置の生き物のようである。

 ただ違うのは大きさだ。

 見たことがあるだろうか?

 肩に乗る猫を…乗ってる方も必至である。

 誰も得しないのに…

「早く飽きてくれ…チョビさん」



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