第120話 泣いてないよ

 高校生が部活で頑張っている姿をTVで観ていた。

 今年は『コロナ』で大会が中止になったり、練習に制限が掛ったりと、なにかとテンションが下がったことだろうと思う。

 たかが部活?

 そうなのだが…それでも頑張って練習している学生がいるのだ。

 何のために?

 目標が無いのだ。


 そんな中で必死に練習する姿を笑えるだろうか?


 以前、『通』に言ったことがある。

 すぐに逃げ出し文句しか言わない彼は、戦うことから逃げていると…

 僕は思うのだ。

 負けれるってことは戦ったということだ。

 逃げてばかりいる彼は負けることすらできないのだと。


 じゃあ…高校生は戦えなかったのか?

 否である。

 断じて否である‼


 彼らは戦ったのだ。

 自分と、時代と、彼らは戦ったのだ。

 そこに勝ち負けはないのか?

 いや、ある。

 やりきって引退した彼らは勝ったのだと僕は思う。

 大会は無かった。

 誰からも見られて評価されることもなかったかもしれない。

 だけど、彼らは別のステージで戦い抜いたのだと思う。


 その姿に僕は…泣いてねぇよ‼

 馬鹿‼ ホントに泣いてねぇからな‼

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