第100話 ちょっとだけ、お裾分け

 取られ過ぎた車検金額の返済に店を訪れた。

「では差額9600円になります、すいませんでした」

「えっ?」


 聞き間違えていたのか…2600円とか言っていたような…でもOKだ。

 多い分にはOKだ。

(後で、また間違えたとか言わないだろうな…)


 9600円…結構、嬉しい。

 そして、Tポイントは、そのままというのも嬉しい。

 この件で得したといえば、Tポイントだけなのだが…。


 そんなわけで、「ケーキを買おう」

 そう思ったのだが、時間が遅くてケーキ屋なぞやってない。

「コンビニでいいか」

 妥協である。


 で…行ったのに…ケーキがねぇ…

 1個もない。

 ちょっとムカッとしたので、生クリームを完全に捨てて、「アンコ」にシフトである。


 アンパンとか饅頭を購入してレジへ…今日は現金で購入である。

 小銭入れを開くと目立つ1円玉。


 数えると8枚…たまにはいいか。

 末広がりの「八」


 募金箱へ1円玉を8枚。


 僕も貧乏なんだけど…今日は、思いがけない返却金があったから…

 ほ~んの少しだけ…見知らぬ誰かへ…ラッキーのお裾分け。

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