第24話 だから禿げ方

 バイトに向かう途中でコンビニへ寄った…

 そして、見たような趣味の悪いアメリカンなバイクと国産スポーティなどノーマルバイク…黒のライダースーツの男女のカップル…そしてセンター禿げ。

「アイツじゃん…」


 駐車場2台分に中型バイク2台そして、センター禿げが隣の駐車場で話している。

「3台分使用かよ…安っすいアメリカンバイクが…」


 とりあえず、クラクション鳴らして退かす。

 降りようとすると僕の車のドアの横で、まだ女と喋っている。

 僕が窓を開けると女が気づいて、センター禿げに退けと促す。

 気付いたセンター禿げが慌てて反対側へ移動する。

 僕が降りるとセンター禿げが

「こんにちわ」

 と大きく爽やかに話しかけてくる。

 笑顔が気持ち悪い…

 男は自分の安っすいバイクに女を跨らせてレンチを握っている。

 おそらく女に自分のバイクに乗らせるつもりなんだろう…なんか調整中だと思う。

 女は、とてもつまらなそうな顔をしていた。


「安っすいバイクで3台分も使ってんじゃねえよ禿げ」


 とりあえず邪魔だということを伝えておいた。

 あの女のつまらなそうな顔…来週はいないと思う。


 また来週、このコンビニに寄ろうと決めてバイトへ向かった。


 清掃業をしていると、禿げに嫌悪感を覚えるのかもしれない。

 でも…デカい顔して駐車場を占領しているセンター禿げに「禿げ」と言ったことで少しスッキリした。


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