第3話

「来たか、かける

父さんが帰ってきて三十分程経っただろうか。僕はリビングにやってきた。

「昨日の続きが気になったからな」

父さんは一冊のアルバムを取り出した。僕が昼間に見つけた僕の実の両親が載っていると思われるアルバムだった。

「これ、見たんだろ?」

「あぁ、見た。悪いとは思ったけど気になったから」

父さんは「別に構わん」と言ってアルバムを開く。そして一枚の写真を指さして僕に尋ねた。

「こいつ、誰かに似てると思わないか?」

父さんが指さしたのは僕の実の父親だった。

「父さんに似てる。さっき見た時もそう思った」

「そりゃ似てるよな。こいつは父さんの弟だからな」

「弟ぉ!?父さんに兄弟っていたんだ」

初めて知った事実に僕は驚きを隠せなかった。

「ということは僕は父さんの弟の子供ってこと?」

「そうだ。弟が死んだあと、父さんと母さんがお前を引き取った」

さらりとまた僕の知らなかった事実が告げられた。僕の実の親は死んでいるという事実を。

「じゃあ、僕の母親は?生きてるの?」

「よし、ちょっと昔の話をしよう」

そう言って父さんは僕の実の親の話を始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る