第497話―深緑の上ファイヤーワークスその4―
お嬢様は楽しそうに人形遊びを遊んでいる。
相手として努まるのは当然として、思ったよりも難しいものだった。
展開を変えて人形をライオンの人形に、勇敢な戦士になりきって喋る。
「いくらお姫様のお願いでもオレは戦士だ。お茶をたしなみ戦場をテーブルの席を知らない無骨者。
こんなオレではなく相応しい方がお姫様はいる。…付き合うわけには
いかない」
設定は身分差による恋愛。
そっぽを向いて想い人である相手を表情を読み解せないよう未練を断ち切って呟いた。
エマリアお嬢様は豪奢なドレスで着飾ったお姫様ドールを胸に抱えている。
「そんなことないよ。好きなら離れるべきじゃないです。
たとえ身分が違っても好きでしたら離れるべきではないです。
イヤですし無理などしないで素直になってください」
悲観そうにイマジナリに浮かびそうな中世お姫様をなりきるエマリアお嬢様は演技は上手かった。
人形遊びは幼い子供には言語発達に促すとデータがあるぐらいだし
遊んでいるうちに理解力が高まったかもしれない。
「そんな簡単なものではないのです。
自由恋愛主義であれるのは近い立場こそ。…これが最後にするつもりです。
それでは失礼します」
退室しようと振り返ると回り込んで進行方向に塞がるように立った。
「いいえ、良くないです。
自由恋愛主義と勝手に決めつけないでください。そんな簡単な言葉なんかで気持ちを推し量れないもの…
身分差なんて恋愛に関係ありません。
それに数十歳も離れても同じ事ですし大人や小学生でも恋愛は許されるべきだと思うのですよ」
う、うーん最後なんだか感情的なセリフになっており返答に困ってしまう。
大人が小学生と恋愛の声は熱が入っており揺るぎない信念があった。
そして30歳前後である桂小五郎と13歳の
「…一部は違うと思いますが気持ちは分かりました。たしかにエマリアお嬢様の仰る通りです」
「お兄様ちょっと違います。
人形遊びですのでエマリアお嬢様ではありません」
「そうでした。…ちょっと頭が混乱してしまいセリフが」
もう、しっかりしてくたさいとエマリアお嬢様は微笑んで言った。
そろそろ人形遊びに疲れを覚えているとドアが大きく音を立てて開く。
もしかすると正当な理由で離れること可能かもしれないと期待して開いたドアを振り向いた。そんな淡い期待は裏切られることになった。
「なんと本陣にお兄様がいるとは…
急な参陣に、せっしゃ驚きましたぞ」
ここの長女であり真の雇用主でもある
ペネロペ・レードル・サファイアお嬢様である。
会ったばかりのときは日本語が片言のようだったのが今は日常会話しても
違和感が少ないほど成長している。
でも違和感は古語を使い方が絶妙に間違っているのかなと感じさせるものがある。
もちろん学校の帰りであるペネお嬢様は制服姿している。
清楚で純白な衣装は彼女をより輝き着飾る。通っておられるのはイーストウェストミンスター高校という。
(もうお嬢様が帰宅される時間帯なのか。それはそうと…)
「うわぁっ!?どうして東洋お兄ちゃんが…昨日は小説を書くんだとか訳の分からないこと言っていたのに。
もしかして…サファイア姉妹とデートなの?」
デートではないかと疑いの目を向けて少し前に驚いていたのは女子高校生である
「うひゃぁぁ、これって
でも兄が友達とそんな歪んだ恋愛をするなら……」
興味津々な反応をしたと思ったら途中から鋭い目を放つのは国民的なアイドルである
本来の名であるリアルネームは
そんな仲良し3人組も来るとなれば平穏無事に明日は迎えないことだろうと俺は
あった。どうしてデートとか修羅場をなのか訊きたいものだが優先するべきは誤解を晴らすこと。幸いと言うべきかペお嬢様は俺がいても妹と遊び相手と普通に思っている。
それから俺はサファイア姉妹の説明もあって滅びのバーストストリーム攻撃力3000の攻撃を受けずにすんだ。
最近あの伝説モンスター強いからな。
――日は沈んで夜の到来するとペネお嬢様に発案で俺たちは広大な敷地にある庭へ来ていた。
「東洋お兄ちゃんここに夜の時間で足を入るとジャングルで
「そうだね。ここが豪邸の敷地だと頭になかったら勘違いしていたかもしれないなぁ…」
最後尾である俺の隣にスピード落として隣に立って花恋がそう言うと俺は首を縦にして同意する。
「きらーりん!ここに歩いていると迷いそうだよ。
えへへ、ねぇねぇ兄アレあそこ見てよ。変わった鳥がいるよ」
いつもよりも高揚している猫塚さんは指を向ける先を向いたら確かに図鑑で見たことある鳥が枝の上に
止まっていた。
ちなみに彼女は友達と夜の花火にはげしく心を踊っていた。
「時は今!
くうぅ!このセリフ一度だけでも集団行動のときに使い方ですよね。
さて、皆様ここへ花火ショー始めましょうか」
ペネお嬢様よ…その気持ちは激しく同意するよ。
織田信長を討とうと決断した明智光秀の有名なセリフですな。
「お姉様また難しいことを…」
憧れのような眼差しと呆れが混ざったようなエマリアお嬢様は呟くと息を吐いた。
「お嬢様方くれぐれも羽目を外しすぎないように」
自由奔放の極められし女性陣の中で唯一と言っていいほど大人であるメイドであるグレイスさん。
そう注意しているとエマリアお嬢様が近寄ると懐から梱包された小さな箱を取り出してリボンを解いて開ける。
中は……シェパーズパイのお菓子が入っていました。
「あのグレイスさん…これ日頃の感謝をこめたシェパーズパイだよ」
「お、お嬢様…私はなんて幸せ者だろうか。年なのでしょうか目が緩くなっていますね」
感極まるグレイスさんは何度も頭を下げてから受け取る。そして「いただきます」と美味しいそうに頬張り始めた。その幸せそうにする姿は二頭身のようなキャラで緩めな表情していた。
「おいしいです。最高食品をふんだんに使ったのがおいしいです」
かわいく頬張るグレイスさんの姿はどことなく迷宮ブラックカンパニーであるメインヒロインのリムを彷彿させる
顔である。
「さあ
「「「おぉー!」」」
ペネお嬢様の言葉に、花恋と猫塚さんそれに妹であるエマリアお嬢様は腕を上げると同意をするのだった。
どうやら入れ知恵でしたか。
そして始まった打ち花火は長かったようで短いような時間が過ぎ去って目覚めるようら感覚があった。
円陣を組むように囲んで、締めにみんなで線香花火のまたたく間な光を眺めていた。
「東洋お兄ちゃん八方美人ですよね」
「ど、どうしたんだい花恋?唐突に」
「深い意味はないよ。
ただ単に冬雅さんや真奈さんもいるのに私だけじゃなく他の女の子に優しいですよね」
「えぇー。いや普通に優しい言葉を掛けるのは誰でもあると思うのですが」
さっきまでパーリィピーポーに盛り上がっていた花恋は線香花火で友達と談笑を交えていたと思ったら唐突に糾弾するように言った。
俺の
「兄っていつも隣に女の子いますよね。今日は小学生なのは引いてしまったけどね。あっはは」
「是非も無し、ですね。
お兄様は江戸時代にいましたら罪人レベルですね」
猫塚さんとペネお嬢様はこういう人だからと諦めた笑いをこぼす。
まるでこういう人だから仕方ないと言わんばかりですよ。
俺はそんなハーレム王を作るとか宣言めいたこと一切していないのに、この扱いは…いったい。
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