第335話―ポジティブなJKによる瓦全で定期的な告白12―
秋か冬どちらか議論しそうな気温で快活で自由を体現した美少女が訪れた。
「やっほう。ジョギングしていたら近くまで来たから、そのまま素通りするのもアレかなって。
もしかしたら東洋お兄ちゃんは私に会いたいはずだって来たのよ!
えっへへ、それで……いい加減に手を繋ぐのはやめたほうがいいと思うん
だけど!?」
快活な笑みを浮かべたと思ったら照れたり怒ったりと感情のままに
長々と喋るは広岡さん。玄関で出迎えるのだが真奈と手を握っている事へ怒りの矛先を向ける。
そして人の適応力はスゴイもので、前は内心どうにか本能的に引いているのを外に表すことないよう装っていたものが何度も目の前でされれば今日も元気でなりよりなんて思ってしまう。
けど、この適応を高くさせる現在の人間関係が大きいと思う。
「それは難しいかな?おはよう。カナちゃん朝早くからジョギングしていたんだねぇ。上がっていく?」
「はい。東洋お兄ちゃんが変な事をしないか監視しないといけないから」
鼻の先に指を突きつけられ警戒しているんだと示した。
そういうことか…ここ最近やってくるのは真奈の身を案じての行動、俺に顔を赤らめたり告白するのは
アクティブがある彼女だ。
なら
「あ、あーん」
簡単な朝食を用意しテーブルに並び食事の流れ、向かいに座る広岡さんがミニトマトを箸でつまむと俺の口に入れようとしていた。
一度、口はつけていて広岡さんの年齢からしてもデリケートになる。つまりこれは…あからさまな色仕掛けだ。試しているのは、
頬を赤らめ目が泳いで巧みに感情をコントロールしている。
「折角だけど断らせてもらうよ。今日は食欲がないから」
「そうなの?元気そうに見えたのだけど風とかあるの」
なんとか断ったものの広岡さんに心配させてしまったようだ。
右肩に頭を預ける真奈は箸でトマトをつかみ取ると――
「お兄さん、なおさら栄養を摂らないとダメだよ。はい、あーん」
「わかった――」
優しく諭すように発した真奈に従って口を開ける。箸を歯に当たらないように気をつけて入れて離したところで咀嚼に入る。
真奈は、上目遣いで愛おしいそうに柔らかな笑みを浮かべる。この生活がそんなに長くないのに同棲しているように何度目かの錯覚が発生する。あくまで面倒を見る側なのに気づけば同じ目線になっているし俺も同じように返したくなるのを理性で堪える。
「な、なんなのこれぇぇーー!?
はぁっ、私と同じはずなのにどうして断られて真奈さんのは食べるのよ。
信じられない!男の人なら喜んでくれるって今まで成功したのに失敗するなんて…ひどい」
広岡さんはショックを受けていた。
断ったことに心配した真奈が体調のためにとトマトをあーんと運んだのはシチュエーションほぼ同じだけど距離感と言うのか試されているばかりと思っていた。
「カ、カナちゃん泣かないで。
お兄さん恥ずかしいと思うけど、あーんしてあげてくれないかな」
また変な流れになってしまっていた。けど断る選択なんて俺は出来ない性分である事に我ながら驚く。
よく分からくても原因であるのが俺なら広岡さんにも動かないといけない。
「…そ、それじゃあ広岡さん。
ワガママを聞いてくれないかな。やっぱりトマトをお願いしていいかな」
落ち込んでいた広岡さんだったが以外だったようで
「いい大人なのに甘えたがりだよねぇ。もう!はい、あーんしてください」
弾けんばかりの笑顔でトマトを口に入れようと箸を慎重に入れようとする。まるで手術を執り行うような真剣な表情で内心で思ってしまうことは大袈裟だなぁと。
それから登校を気にしないといけない時間に迫り広岡さんを玄関まで真奈と見送る。
「マジで東洋お兄ちゃんは、わかりみだよね。じゃあ夕方にまた来るね」
わかりみ謎の単語が気になったけど一々そう疑問を抱いても片隅に置けるようになった。
そんなことよりも夕方に来るのか。
「それじゃあ待っているよ広岡さん」
「カナちゃん、またねぇ」
なんだかJKに見送ってばかりだなと思いながら軽く手を振る。真奈は屈託のない笑顔で手を振って
送る。広岡さんはドアノブを触れて止まる。動作がないことに訝しんでいる数秒後、おもむろに振り返り俺の胸の前に指を突きつける。
少しデジャブ発生しました。
「それと私を呼ぶときは下の名前あだ名だからね東洋お兄ちゃん!」
そう言って彼女は自分の家に走っていくのだった。真奈も登校するまで寛ぐが時間は早く経過するもの。征服に着替えた真奈は玄関に向かう廊下を歩いているとき。
「ワタシも去年では、お兄さんに下の名前を呼んでもらおうと頑張ったの懐かしいく感じている。
ずっと前の出来事みたいに」
「真奈…俺も同じだよ」
「うん……」
いつもの他愛のない話、いや他者からすれば変な話で盛り上がり学校に行く真奈にゆるやかに手を振る。
鍵を閉じて、どんな小説を書こうかと悩みながら居間に戻る。
休みがてらに買い出しに行きすぐ家に帰ると執筆に没頭する。
小説投稿サイトからプロになろうと目指して
空は薄暗くなっていくと有言実行する広岡さん…いや
「ねぇ、勉強しないといけないの?もう少し遊ぶとか…ほら、東洋お兄ちゃんだって若くて美少女のSJKと楽しく話とかしたいでしょう」
SJKとはセカンド女子高校生の略称。
「それは一部の人だね。俺にはそういう夢を見るような事はしないし期待はしていないから大丈夫だよ」
「す、すごい壁を感じる…」
花恋が不満そうにする。ダイニングテーブルで隣に座って勉強をするのは構わないし、困ったら分かる範囲で教えるつもりだけど
集中してくれない。真奈の方はというと凄まじい集中で励んでいて邪魔しないよう忖度させる空気を醸し出している。
「ねぇ、私から見てもスゴイ可愛い真奈さんと、どうやって付き合ったんですか?」
詰め寄る花恋は耳元で声を潜めて真奈に気遣う。そろそろ勉強しないと進級が厳しくなりませんかね?
「また別の機会で」
「えぇーー!まぁ、いいけど。
真奈さんと違って教えるの上手くないんだよね。
まぁ、普通にわかりみなんだけど」
ここまで親しく話したり顔を赤めたりすると好意的に向けられているのは自意識過剰ではないだろうか?ギャル語に詳しそうなSJKに教えてもらおう。
「気になったんだけど…わかりみ意味がよく分からないのだが」
「あー、言葉の雰囲気で使っているの。これは意味とかハッキリしたものはなくて深く考えなくていいの。意味はこう…よく分かるとか理解だよ」
「へぇー、現役だけあって詳しいんだね。
「な、なに急に…も、もしかして惚れてしまったの!?無理、無理だから大人と付き合えないの。
でも、どうしても愛していると言うなら考えなくてもないけど…
ま、まずは恋人の一歩手前な友達から交際していくコースで」
うん、今日も流れるように一度も噛まずには矢継ぎ早になる花恋に
苦笑をこぼす。
しばらくそうしていたが夕食を作ろうと席を立つ。献立はロシア料理のビーフストロガノフだ。
サラダはカボチャとキャベツをマヨネーズなど混ぜった秋の味をイメージして作った。
テーブルに並ぶとテレビを見ていた花恋がソファーから立ち上がり手伝う。並び終えれば真奈を呼び
両手を合わせて「いただきます」っと告げると食事が始まる。
「このタイミングでどうかと思うのだけどお兄さん!ワタシ家に帰らないといけなくなりました」
「えっ?家に帰る…何かあったのか」
真奈は少し落ち込み気味で説明してくれた。どうやら長期の泊まりとなれば、もちろん真奈のご両親が心配しているだろうし家族がいない日々は寂しさがある。
それなら引き止める発言はせず逆に戻るべきで背中を押すべきだろう。
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