第91話 10月1日
第91話 10月1日
「さてっ!みなさん!10月になりましたっ!今月は何があると思いますか~!!」
朝っぱらから、【ノーラ・サウザンド】先生(ノーラ先生)が教壇に立ち大きな声でみんなに問いかけている。
「もちろん!他校との交流戦ですわっ!風の神【アウラ】もそう言ってますわ!」
生徒会長を務める、メル・ヴァニラが胸を張り答える。風の神とやらは、メルの里ではかなり信仰されているようであった。
~10日後の10月10日~
10月の終わりに、【王都オルタナス】、【龍都ドラゴニス】、【虎都モウコタン】、【王都ハヤテ】、【王都バルスバズ】の五王都の代表校の選抜メンバーが集まり選抜戦が行われるのであった。各王都の威厳を保つためにも大事な選抜戦ということもあり、各国の王も参列し観戦する一年のうちで一番大きな催しであった。
各年、違う都市で開催されるため五年に一度は王都オルタナスで開催される。開催都市は、主催として莫大な費用と戦闘のための準備をしなければならなかった。その分、勝利した都市には、栄誉とともに国家予算に相当する4000万白金貨が贈られる。
そのため、各国総力を挙げて選抜メンバーの育成に力を入れている。
以前は、この近隣の各国が戦争を繰り返していたが、100年ほど前にある賢者がこの選抜戦の案を出したことにより戦争はそれ以降無くなっていた。
オルタナスの王宮に各国の王が集まっていた。
「各国の王たちよ、よくぞ来られた。特に王都ハヤテのセイリウス国王よ。蛇に食われたとのうわさが流れてきておったがよくぞ無事で来られたな。案じておったぞ。」
王都オルタナスの【セイル・リュード・オルタナス】国王が、王都ハヤテの【セイリウス・ハイバウエ・ハヤテ】国王の手を取り本気で喜んでいる。セイリウス国王は、その時のことや不思議なこびとを連れた女の子に助けられた話などを披露していた。
龍都ドラゴニスの【ガース・バロン・ドラゴニス】国王と、虎都モウコタンの【白虎・ショーグン・モウコタン】国王と、王都バルスバズの【コウセキ・ヒ・バルスバズ】国王の3名は、別室に集まり何かこそこそと密談をしていた。その別室の天井には、きらりと光る眼が監視していたが3名は気づく由もなかった。
夜になり、各国の王は晩餐会の席にいた。
各国の王の前には、選抜メンバーの中でもさらにリーダーとなる学生5名が並んでいる。
「この者たちをリーダーとし、10月20日から10月25日までの5日間、選抜総当たり戦を執り行う。皆には勝敗の見届け人となってもらいたく召集させていただいた。」
晩餐会の会場には、各国の貴族の中でも上級貴族や隠遁していた賢者、現代の勇者、その他誰でもその名を聞いたことのある者たちが集められてた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます