第80話 Bクラス主席 ナーガ・ロージア

 第80話 Bクラス主席 ナーガ・ロージア


 時は少し戻り9月1日、ナーガ・ロージアは、部屋でくつろいでいた。彼女は、前髪ぱっつんで長い黒髪、着物を着れば市松人形のようなかわいい整った顔をしている。もちろん部屋着は、着物ではなくネグリジェなのだが普段は押さえつけている胸は、脱ぐとかなりのボリュームがある。それは置いておき、


「ご飯食べた後ってなんでこんなにまったりしちゃうんだろう?明日出すレポートも仕上げなきゃいけないのになぁ~。」


 ナーガは、小さくあくびをする。先の二つに割れた細めの下がちろっと顔を出す。よく蛇族と間違えられるのだが実は、ナーガは、古代恐竜族の子孫である。まだ覚醒していないし、覚醒するのも一族の中でわずか一握りしかいない。


 覚醒した後、肉食竜か草食竜か後、サイズも重要となってくる。

 祖父が覚醒した際には、長首竜であり草食竜であったためあまり戦闘には向かず、重いものの運搬など通常では重労働である作業をしていた。


 人より大きいが、ダンジョンでも広い場所であれば動ける程度のサイズの肉食獣であれば、いろいろな所での戦闘の先陣を買って出ることができるため重宝されるという。


 【レポートか。我が手伝ってやろうか?】


 突然、ナーガの頭の中に鈍く響く男の声が聞こえてきた。ナーガは、夢を見ているのかとも思ったが、はっきり聞こえる声は続けざまに様々な誘惑の言葉を投げかけてくる。


 初めは、恐怖と不安で拒絶していたが頭の中の声が徐々にナーガの意識を侵略していく。


『任せたほうが楽だわ~・・・』


 ついにナーガは、考えることを止め脳内での快楽におぼれていった。



 9月2日


 ナーガは、朝から先生を押しのけて教壇にいた。周囲の生徒たちは、何事かとざわざわしていたが、


【9月10日に、BクラスがSクラスに勝利しクラスを奪うのだ!】


【倒せ! 弄れ! おかせ! 殺せ! 食い散らかせ!】


 今までの、ナーガの優しい声や表情は一変し、悪魔のような形相で地の底から聞こえてくるような声に先生を含め全員が圧倒される。


 その声を聞いたものすべての目が鈍く朱色に変わっていった。


 それから3日後、Sクラスの黒板に挑戦状が殴り書かれていた。


 挑戦状が書かれる前の3日間と10日までの間、Bクラスの生徒たちは誰一人として家に帰ることなく先生から家族へは訓練合宿と伝えられていた。


 そのほとんどの日々は、ドームで過ごしていた。寝ることも惜しまず、魔法や戦闘訓練、あるいは本来の未知の力を手に入れるものまで出現していた。


 ナーガ主導の下で行われた訓練はもちろん、ナーガの古代恐竜族としての力も覚醒させていた。


 ・・・むりやりにではあったが・・・


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