第2話 ここまでの経緯

「じゃあ話すよ、まず、ちょうど君達がいた所に直径三キロメートルの隕石が降ってきたんだよ」


結局逃げるのは無理だったてことか。


「しかし、私はその事をあらかじめ知っていたから、そこに結界を張っていた。そしてその結界内の隕石とそこにいる人をそれぞれ転送した」



「ん」


僕は首を傾げ。


「んー」


幻も首を傾げ。

えっとお。えっーーーと。あー。いやーちょっとなーー。

頭の中が混雑して、まるで新宿みたいになっていた。


「あのー」

「なに?どうした?」


ハーデスさんは僕を気遣ってか落ち着いた声で聞いてきた。


「一回帰っていいですか?」

「帰れねーわ」

「帰れねーわ」


二人は声を揃えてつっこんだ。

こうゆう事を言うのが僕だ。

ふぅ。


「お、聡落ち着いたみたいだな」

「どういう事?」

「えっと聡はですね、ボケた後につっこまれると落ち着くんです」


よく知っていらっしゃる。


「そうゆう人間なのな」


たぶんあんまりわかってない。


「それでさっきの疑問だが、転送されたていうのは衝突前だ。つまり君達は死んでいない。一時的にこちらに連れて来ただけだ」


え、まじ?


「本当ですか?」

「本当だ。ほらよく考えてみてよ。なんで外国の神様であるところのハーデスが死んだ人の相手をするんだ?君達の所には仏がいるだろう?だから本当は生きてる間も生きてない間も君は私の所には来ないんだよ」


なるほど体の疲れが残っていたのはそういう事か。

僕は最初にハーデス→冥王→冥界→死んだとすぐに繋げてしまったが、その考えは普通に間違っていたわけだ。

それよりも。


「そう…ですか。生きてた」


その間違いはとても嬉しかった。

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