親友はドラゴン

人鳥幽霊

プロローグ

僕は今日もいつも通りに学校に通い放課後は部活とゲームに勤しんでいた。


部活はボランティア部に所属していて、月曜日から土曜日まで真面目に、ありとあらゆるボランティアをやっていた。田植えをしたり、町の清掃をしたり、図書館の本の整理を手伝ったり、引っ越しの手伝いをしたり、業者の協力の下で蜂の巣を駆除したり、あとは先生方の家を掃除しに行ったり、生徒会の手伝いや、部活の応援に行ったりとボランティアとしてなんでもやっていた。


そして家に着くと僕の趣味であるゲームをやっている。以前はゲーム廃人だとかゲーム依存症だとか言われていたが、今ではボランティア部で真面目に活動している事で、少し周りの評価も高くなり以前みたいには呼ばれなくなった。別に廃人でも依存症でもないんだけど。そういえば引きこもりとも言われていた。まだ一回も欠席してないのに、全然健康的なのに、僕は一体どうゆうやつなんだよ。


なんか僕はマイナスのイメージがとても強い。

まあ別にいいけど。


そして僕と反対の極でプラスのイメージが強すぎるのが、雪村 幻(ゆきむら げん)だ。幻は何事にも一生懸命、運動神経抜群、教室にいるとたくさんの人が集まり、『超絶イケメン!』ステータスが全体的に高い。お前は一体何レベなんだと言いたくもなる。

こう僕達の紹介をするとあの有名なことわざである類は友を呼ぶという言葉が、あれは本当なのかと疑い深くなってくる。


僕はゲーマー。幻はスポーツマン。


簡単に表してみるとあきらかだ。類義語どころではない対義語だ。


そんな二人が仲良く話しながら下校しているというのだから。クラスメイトは達真を除き、他の人達はみんな違和感を持っている。


達真というのは………いや、今度紹介しよう。


とにかく僕らは楽しい学校生活を過ごしていた。

しかしこれから始まるのは楽しい学校生活ではなく、とある非日常の出来事だ。それは想像を絶する事だった。その『事』というのが事件か事故かはさておき、人生という有限の期間の中でこの非日常が割り込むように入ってきたのは確かだ。

………ほんと、非日常なんて、アニメやマンガの中だけだと思っていた。



そしてその『非日常』がこれからの僕の人生に影響を与えるかどうかは、今の僕の知るところではない。

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