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 空には月のような青白い光源が輝き、海には穏やかな波があった。

 海の色は青色。

 比喩ではなく、両手で掬ってみると、確かにその水には青い色が付いていた。それに、ほんのりと暖かい。不思議な水だ。

 海には白いボートが一隻だけ浮かんでいる。

 そのボートの上に夏と遥はいた。

 二人は白いパジャマから、白い水着に着替えをしていた。

 それは遥が用意してくれたもので、見た目よりも機能性を重視したシンプルなデザインをした水着だった。

 夏は自分のスタイルの良さに、それも細くて長くて白い自慢の足に、かなりの自信を持っていて、そして控えめな胸に不満を持っていたが、自分と同じ水着を着ている遥のスタイルは、運動をしていないにもかかわらず夏とほとんど変わらなかった。

「綺麗だね」

 遥は偽物の月を眺めている。

 でも夏は月ではなく遥を見ていた。

 こうしていると、夏と遥はとてもよく似た外見をしていた。

 足の長さも、手のひらの大きさも、耳の形も、爪の形も、そして控えめな胸の大きさも似ている。身長や骨格だって似通ってる。それは半分は偶然で、そして半分は偶然ではない。

 それは夏が出会ってからずっと、木戸遥という人間に、憧れ続けてきた結果だった。

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