第33話 マキと菜々

最近、シロが体調を崩すことが増えた気がする。

原因は分からないけど、こう何回も続くと今も倒れそうになってるんじゃないかと心配で仕方がない。

そんなことを考えてるうちに段々と仕事にも手がつかなくなっていってしまった。

休憩時間になると、菜々がマキの元へ歩み寄って来た。


「マキちゃん、最近どうしたの?何かあった?」

「菜々さん・・・実は、最近シロが体調を崩すことが多くなってきてて」

「あら、それは大変ね。病院にはもう?」

「行っても風邪としか診断されなくて」

「そんなに心配なら少しの間休んだら?あなたの分は私がやっておくから」

「本当ですか?ありがとうございます」

「いいのよ、困った時は助け合わなくちゃね」

「菜々さん・・・私、菜々さんと知り合えて本当に良かったです!」

「あら、嬉しいこと言ってくれるわね」

「このお礼はいつか必ずさせてもらいます!」

「ふふ、その時を楽しみにしてるわ」


菜々のアドバイス通り、マキは次の日から暫くの間休みを取った。

休みを取る時に何か言われないか心配していたが、寧ろ私の心配をされた。

そんなに苦労しているつもりはないのだけど、疲れが顔に出てたのかしら・・・

そういえばこの前シロが倒れてからあまり寝れてないわね、シロのこともだけど自分の休息も取っておかないと。

でも理解のある人で本当に助かったわ。さ、早く帰ってシロにこの事伝えておかないと。

マキが夕飯の食材を持って帰宅しようとした時、目の前にシロを見つけた。

ふふ、どうせなら後ろから気付かれないようにして驚かせましょう。

マキは足音を立てないようシロに近づいた、その時だった。

シロが突然後ろを振り向いた。驚かせようとしたはずが逆にこっちが驚かされてしまった。


「何やってるの?マキちゃん」

「い、いやぁちょっとシロを驚かそうかと・・・」

「でも、全然気配隠せてなかったよ?」

「え、うそ!?」

「昔っからそうだよね。気配隠すの下手すぎてどこに隠れてるかなんて簡単に分かっちゃう」

「いや、それは多分シロが異常なだけだよ・・・」

「そんなことはないと思うけど、それより今日の夜は何?」

「今日はロールキャベツにしようかなって」

「ロールキャベツ、いいじゃない!早く帰って食べましょう!」

「もう、ちょっとぐらい待ちなさいよ!」

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