頭の体操「あいうえお作文」

七文

頭の体操「あいうえお作文」

お靴は下駄箱に










「あんたね、いつも言ってるでしょうが! く靴以外は靴入れに仕舞いなさいって。みんながみんな、長靴やらサンダルやら何足も放り出すから、うちの玄関、相撲すもう部屋みたいになってるじゃないのよ! 一体うちは何人家族なのよ!!まったく、もう。毎回、お母さんが片付けてるんだからね!」





「いつも、母ちゃんは話盛りすぎなんだよ! 相撲すもう部屋ってほど、靴出てねえじゃん。だいたい、俺は自分のスニーカーしか出してねえよ。サンダル何足も出して散らかしてんの姉ちゃんだろ?文句ならまず、姉ちゃんに言えよ! だいいち俺、靴一足しか持ってねえからっ」





「うそ言いなさい!あんたのスニーカーいくつか出てましたからね!お母さん片付けたからわかるんだら。それに、お姉ちゃんにはもうずっと言ってるけど、一昨日から部屋に閉じこもって出て来ないのよ。またフラれたのかしら……。それより、ほら、こっち来て見てみなさい!ね?この靴とこの靴が、こう、こっちとあっちに散らばって」




「え?これ、俺の靴じゃないけど。……この靴、片付けたのいつ?」




一昨日おとといの……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る