第16話 ダンジョン2

ダンジョン1階を進みながら、マッピングして行く。



魔物はゴブリンの他に、スライム、コボルトを倒した。


ここにいるスライムは毒持ちでもなく、攻撃も俊敏な動きで体当たりするのみなので、簡単に倒す事が出来る。


コボルトは犬の頭を持つ人型の魔物で、棍棒やナイフ等を振り回しながら襲ってくるが、力も弱く、隙がありすぎる動きの者が殆どなので、これも苦もなく倒す事ができる。




大分とマッピング出来たのではないか?

そう思った時に、またゴブリンだ。




今度は7匹の集団でやって来た。


私を見つけるなり、皆走り出して武器を振り上げながら向かってくる。


今回は数が多いので、魔法で倒すことにする。




右手を前に出し、氷の矢を放つ。




攻撃魔法の系統は、火・水・土・風・雷・氷・光・闇とあるが、人によって相性の良い系統、悪い系統とあって、相性の良い系統を鍛練して伸ばす方が効率が良いので、殆どの人は1つか2つの相性の良い系統を伸ばしていくが、希に好きな系統を使いたくて鍛練する変わり者もいる。


しかし、あまりに相性が悪すぎる系統だと、どれだけ鍛練しても初期魔法にも及ばないレベルにしか到達出来ないと言われている。


結局は自分に合う魔法を使うのが一番良いのだ。



詠唱せずに魔法を放つには魔力の構築を即座に組み立てる事が出来なければならないが、これは魔法の練習を続けていれば、いつの間にか出来るようになっていた。


ただ、人前ですると、驚愕を目に表しながら私を見てくるので、なるべく人がいる所ではしない様に心がけた。

これ以上、私に悪い印象をもって欲しくはないのだ。


手を前に出すのは、そうすることによってコントロールが精密になって行くからだ。


剣で魔物を処理している時等、手が離せない時は手を前に出す事が出来ない時があるが、その魔物を見てどこに魔法を放つかを決めれば、大体が思う所に放てるようになった。


これは、黄色の石を全身に感じて五感が研ぎ澄まされてから、目に力を込めると出来るようになったのだ。




氷の矢は7つ、全てゴブリンの頭に命中した。


心臓辺りに魔石があるので、頭に打つことで魔石が壊れてしまわない様にしたのだ。



暫く待って、ゴブリンの魔石を回収する。



そんな事を繰り返し、地下2階へと続く階段を見つける。




地下2階は、少し冒険者が少なくなってきた様だ。


ここの魔物は、スケルトンやオーク、ゴブリンソルジャー等がいた。



スケルトンは骨だけの魔物だが、不死者なので光魔法に弱い。

光魔法を放つと、光に包まれたスケルトンが淡くボヤけていき、やがて天に召されるように消えて行った。

光が消えた後に残るのは魔石だけだ。


素材が欲しい場合はこの方法だと回収出来ないが、スケルトン等の不死者は殆どが素材にならないので全く問題ない。



オークは豚型の魔物で、これを食料としている所はその国によって異なる。

イルナミの街では食料にする様なので、素材が残りやすい様に剣で首を跳ねた。


しっかり血抜きをしてから解体し、空間魔法で収納しておく。

この空間魔法のお陰で、私は収納鞄を購入せずに済んでいる。

とても役に立つ魔法だ。



ゴブリンソルジャーは、ゴブリンよりも戦闘に長けている。

が、やはり所詮はゴブリン。

集団か単体かで攻撃の仕方を変えていく。


あまり魔法ばかり使っていては剣の技術が疎かになるので、単体である時はなるべく魔法は使わずに剣で倒すことにする。


しかし、ここは洞窟のダンジョンなので、大きく動いて剣を振るうことが出来ない為、どう倒すのが最適かを見極めて戦ってゆく。




大体のダンジョンが、下に行くほど魔物は強くなっていく。


ここでもマッピングしながら、魔物を倒していく。


素材になりそうな物はそこで解体をし、回収して行く。

もちろん、魔石も忘れずに。


地下2階のマッピングもある程度出来た頃、地下3階に降りる階段を見つけた。




今日はここまでにして、また明日ダンジョンに潜りに来るとしよう。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る