第21話 転生
俺が目を覚ますと見知らぬ天井が目に入った。転生はちゃんと成功したらしい。あんま実感がわかないな。
そしてどうやら俺は寝ていたらしい。このフカフカのベットで。多分だが、かなりお高い物だろう。部屋もかなり豪華だ。
俺が覚醒したってことは、明日で俺は15歳になるという訳だな。てことは明日になったらこの体の強さがわかるって訳だ。
「ふむ、どうやらちゃんと男になれたようだな。にしてもまだ眠いな」
どうやら前日は夜更かしをしていたらしいな。
俺はあくびをかきながら自分の髪を触る。結構触り心地が良くて驚いた。
するとこの部屋のドアを2回ノックする音がし、1人の女性が部屋に入ってきた。
「ベルノエット様、朝食の準備が出来ました」
「お、おう」
その女性は多分メイドさんだろう。黒髪を短く縛っており、綺麗なメイド服を着こなしている。
何となくだが思・い・出・し・て・きたぞ。この綺麗なメイドさんの名前はニーナ。俺の家に務めるメイドで、他のメイドさん達をまとめている人だ。
そしてベルノエット、これが俺の新たな名前だ。ベルノエット・デルミオーカス。
俺の家はどうやら貴族らしい。まあこの部屋を見て大体予想はついたが。この部屋はかなり豪華だが、このデルミオーカス家はそこまで裕福ではないらしい。最近ではかなり厳しい状況にあるのだ。
それから俺はニーナさんに言われるがままに、身だしなみを整えた。どうやら貴族のマナーというらしいが、ちょっと前まで冒険者をしていた俺からすればめんどくさい。
「やっぱり白・、か」
俺は鏡に映る自分の髪を見ていた。俺の髪は前世とは全く違い、色の抜けたような白色だった。
別に俺としては問題無いのだが、貴族や高い身分の子どもが白髪だと何かと問題になるらしい。そのせいで俺はこれまで家族に嫌われ、虐げられてきたらしい。貴族とは器が小さいらしいな。
「それにしても、まあ悪くないな」
髪のことはさて置き、今度はほかの外見を見てみる事にしたのだ。顔はまあまあいいと思う、自分で言うのもなんだが。体格は、まあ普通だな。どうやら魔物とかと戦った事がないようだし。まあ太って無かっただけ良しとするか。
一通り身だしなみを整えた後、俺は食堂に向かった。俺は迷うかと思ったが、しっかりと俺の記・憶・が案内してくれた。少しづつだが記憶が入ってくるのが分かる。なんだが不思議な感覚だ。
俺が食堂に行くと他の面々はもう揃っていた。俺の家は8人家族だ。俺はこの家で、両親と6人の兄達から虐げられてきたってわけだ。それにしてもよく14年も我慢できたもんだな。俺ならとっくに家を出ているはずだ。
「遅いぞ! ベルノエット! 白髪のくせ私達を待たせるとは何事だ!!」
「……すいませんでした。お父様」
俺を1番最初に叱り付けたのが俺の父親だ。
まったく、俺の父親ら身長は小さいくせに態度はかなりデカいらしい。
それからも父親達は、食事中にもかかわらず俺に小言を言ってくる。せっかくのうまい飯も台無しだった。
俺は食事を済ませると直ぐに自分の部屋へと戻った。出ないと何されるか分かったもんじゃない。
俺はこの世界について知らなくてはならないだろう。なので俺は図書館に行くことにしたのだ。それが最適だと思ったからだ。
俺が支度を済ませ、図書館に向かおうとした時、1人の少女に呼び止められた。
「ちょっと待ってください!」
その少女は銀色の髪をしており、メイド服を着ている。うちのメイドってのはわかるが、名前が思い出せない。まあ仕方ないだろう、と俺は思い出すのを諦める。
「えっと何の用だ?」
「えーそのお出かけなさるんですよね? 良ければ私も連れて行って欲しいな〜っと……」
「ああ、別にいいが。どうして俺と?」
特に問題は無い。無いのだが、1人の方が何かと調べやすそうと俺は思ったのだ。
「いえ、その。前からベルノエット様とお話をして見たくて」
「そうなのか。まあいいが、お前はこの家のメイドだよな?」
「はい! 本日よりここで働かせて頂く、ミオンと申します。先日この街に越して来たばかりですが、よろしくお願い致します!」
なるほど、だから俺はこの子の名前が出てこなかったのか。だが何となくだがこのミオンという少女とは、前に1度あったような気がする。気のせいだろうか。
「ではベルノエット様。私も準備して来るので少々お待ちを!」
そう言ってミオンはどこかえ行ってしまった。多分メイド室だろう。
俺は先に家の門の前でミオンを待つとしよう。実は転生したばかりで、まだ意識が鈍いような感覚だ。まあ大丈夫だろう。
ミオンの準備とやらが終わり、俺達は図書館目指す。どうやらミオンの準備とは、服装等ではなくミーナさんに許可を貰う事だったらしい。服はさっきと変わらずメイド服だし。
「にしてもデカイな、この図書館」
「そうですね……」
この図書館はかなりでかいと思う。
こんなに出かければ魔法の本とかもありそうだな。
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