第97話 海を知らないものたちは

「 海を知らないものたちは 」


海を知らないものたちは海を知るものたちの

 言葉を聞くことなく海に入ってはならない

 と

それは海底が何万メートルあるかということ

 ではなく

水圧が何キログラムであるとか

新種の生き物が見付かるかどうかということ

 でもなく

こうなるからそうなるということではなく

計算式がすべてを網羅できるなんて巨大化に

 は限度があるんでしょう?

予算?労力?期限?

何日かかけて海底に沈んでいくことくらいで

 総てわかったことにはならないのでしょう

 が

海を知らないものたちは海を知るものたちの

 言葉を聞くことなく海に入ってはならない

 と

偉くなってしまって後戻りできないひとたち

そうしたことをしてしまえば、つまり、知ら

 ぬ間に何かに復讐されてしまう(恐らくい

 ずれ)海岸で足を止めていれば、潮だまり

 にいるちいさな魚ややどかりの移動速度ま

 でわかったはずで(総ては幼い頃の消すべ

 き記憶)

わかろうとするのはうねりの大きさや海流海

 面水温

遠く軍艦ばかりになってしまったこの頃





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