第74話 蜘蛛(川は)
「 蜘蛛(川は) 」
糸の先から流れていく
流れを止めることはできない
それはわたしには大きすぎ
風を受け止めるだけで
精一杯だったから
僅かに湿っている
風は
足にやがて水滴となって付き
少しずつ重さを増していく
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