第53話 砂浜の側

「 砂浜の側 」


波は波に任せて見送った

波はなにも言わずに返ってきた

受け止めることしかできなかった

受け止めてくれる砂浜があったから

波は打ち寄せることができる

万の単位でしか替われない

一粒の砂を重ねていっても

両手をひろげるより早く

弓なりになっている

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