第7話 ドーナツ

「 ドーナツ 」


客は

それぞれの

行為に耽って

飲み干された

カップのコーヒー


列車は

レールの継ぎ目を

烈しく

叩いて

ホームを出て行く


菓子パンを

口にくわえて

チャリに跳び乗る


女房は

鏡の前で

髪の手入れに忙しい


グラスの水は

同心円を描いて

テーブル上で

振動していて

朝の光りが

浮遊する塵を

静かに

斜めに

抱擁していた

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