第5話
訓練の結果から言おう、最初期から失敗だ。脱落した物が多すぎて残ったのは12名、一個中隊分のみだ。
「中央の者からも採用していい。私の威信をかけた部隊なのだ!手段は問わん。徹底的にやれ!」
アマーリエ少佐は早々に投げ出し副官の俺に丸投げしやがった。
第1段階で中止した訓練を中央から志願者を募り、訓練を敢行。叩き直して増強大隊48名を選別し、即応司令部隷下の部隊として第904特殊偵察中隊、第998即応邀撃大隊を編成させ、俺は編成の功績で中尉に昇進した。
「アルト・リッツ少尉着任します!」
第102航空魔導大隊第一中隊長兼副官の任を務める俺は仕事の量が半端じゃなく多い。
そこで個人的な俺の副官としてアルトを呼んだ訳である。
「歓迎しよう。少尉の所属は参謀本部直轄即応軍司令部隷下第102航空魔導大隊第一中隊長副官だ。少尉は軍歴7年のベテランと聞いている。期待しているぞ。」
「はっ!」
「早速だが、書類仕事を手伝って貰おう。」
手際良く片付けてくれる少尉。拾い物だな。
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「信じられません!北方二王国連合が帝国に宣戦を布告しました!」
眼下ではメディアが必死にマイクに向かって叫んでいるのが見える。
連合が係争地域からの帝国軍の撤兵を要求。それに対し帝国政府は拒否を通知し連合が帝国に宣戦を布告したと言う状況。
即応軍司令部からの発令で北方へ3時間で展開完了。北方軍の指揮下に入った。
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「閣下!即応軍司令部より入電です。1個魔導大隊を派遣、コードはシュバルツ。」
「シュバルツ01と通信が接続されました。」
『シュバルツ01よりHQ、進軍してくる北方軍の左翼に展開する。北方軍諸君には指揮下には入るが、独自行動権が我々にはある事を確認しておく。』
「閣下、シュバルツ大隊は高度6000ftの速度250ktで飛行中。」
優速の部隊だな、中央の虎の子部隊を出てきたらしい。
「成程、優秀な様だな。ん?待て、高度8000ftだと?」
高度計は現在8500ftを指している。
「二個軍団に一個増強大隊の増援か、大盤振る舞いですな。」
「全くだ。」
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「シュバルツ02より第一中隊!着いてこい!」
『シュバルツ01より各中隊長。第一から第三は遊撃、第四は私が直々に指揮する。散れ!』
「『『はっ!』』」
短機関銃に弾倉を装填し構える。光学系の威力強化程度の術式を展開し、対地攻撃を行う。
『CPより戦域の部隊。敵軍左翼上空より敵一個大隊規模の部隊が浸透。排除されたし。』
「シュバルツ02よりCP。直ぐに向かう。」
『CP了解。後、シュバルツ大隊そちらには砲兵隊の観測手に対する中隊規模の攻撃も対処して貰いたい。』
『シュバルツ01だ。私が対処しよう。第一中隊行け。』
砲兵隊の効力射が続く中敵軍の歩兵が山間の道を進軍してくる。機関銃や塹壕で展開する帝国軍に対し敵は歩兵六個師団が展開していた。
『ヴァイス大隊、戦域に到着。これより我シュバルツ大隊と協同す。』
『シュバルツ01よりヴァイス01、シュバルツ02の指揮下に入れ。』
『01了解。シュバルツ02指示を。』
回しやがった。
「02より01、敵軍左翼上空より敵連隊規模魔導部隊を観測、遅滞戦闘に努めよ。」
『了解。』
何処から湧いてきた。武装は連合系だが、ドクトリンは共和国に近い?否、連合王国軍の存在もある。
「中隊、空域爆撃式を急速展開、カウント後撃て。」
了解と返答が有り、12名の魔導師が対人向けの爆撃式を展開する。
「カウント5、4、3、2、1!」
引金が引かれ空間事焼き払う爆撃式が魔導装甲を諸共せず酸欠で落とす。咄嗟に回避した後続の魔導師も対人狙撃式を連射し仕留める。
「シュバルツ02よりCPへ。敵は片付けた。」
『CP了解。あぁ、敵に対する対地攻撃を要請出来るか?』
「構わん。ヴァイス大隊対地攻撃だ。」
『了解。』
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