夜に読む詩

 夜

 もはやだれも自分を求めないし

 生を根拠づけるすべてが闇に溶けていく

 電線が揺れ

 街灯がまたたき

 ベンチの木材が軋んでも

 なにひとつ響かない

 そんな無音の静寂の夜に

 なぜだかふと出会ってしまい

 初対面の遠さを感じさせず

 朝が来るまで声もなく語り合う

 そんな言葉

 そんな詩を書きたい

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