2週間

ヒモになって2週間がたちます。


いつものように起床して、歯磨きをして、朝食を食べてる最中の会話のことです。


ふと、私がこんなことを呟きました。

「今日は外に出ようかなあ」

何気なく言った一言でしたが、彼の表情は凍りつきます。


一瞬、何が起こったのかわかりませんでした。


彼を見ていたはずなのに、私の視線は右にある本棚に向いています。

左頬が熱くなって、やっと理解できました。

彼が怒鳴っていますが、よく聞き取れません。


怒りに身を任せた彼は私をワークデスクの前まで引っ張り、着ていたジャージから紐を取ってデスクの脚に私を縛り付けます。


動けなくなってしまった私は呆然として、彼が仕事に向かうのを見ていました。


ドアが閉まる瞬間、彼が「逃げたら許さない」と呟きました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る