第4話 見ているよ
「ごめん…好きな人がいるんだ。」
君の言葉を何度も口ずさむ。
そっか、好きな人がいるんだ。
それは仕方ないね。応援しているね。
がんばってね。
僕の言った言葉も何度も口ずさむ。
あれでよかっただろうか。君にかっこ悪いところは見せていないだろうか。
去り際はスムーズだったかな。握手した手は震えていなかったかな。
「ごめん…好きな人がいるんだ。」
帰り道 見上げた夜空には
見慣れた月が僕を見下ろすように
「ごめん…好きになって。」
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