7月も終わりですが、夏の句を集めてみました。

※片かげり:日光の当たらない所。

・ー・ー・ー・ー・







恋ひとつ


 線香花火の


  終わるごと





素潜りの


 子の手にひとつ


  あわびかな





竹揺らす


 風に負けじと


  蝉時雨せみしぐれ





梅雨明けて


 その目にまぶ


  白いシャツ





夏の星


 集めて満ちる


  熊野灘くまのなだ





井戸水に


 浮かぶ胡瓜きゅうり


  トマトかな




路地裏の


 心を奪う


  芙蓉ふようかな





いかづち


 背にして響く


  下駄の音





北陸の


 潮風に揺る


  「氷」かな





二十四時


 風鈴の


  なかりけり





片かげり


 電車の客も


  片方に





隠岐島おきのしま


 民宿の子も


  夏休み





夕焼けや


 波打ち際の


  シルエット

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