第35話 事の説明

只今俺の前には二人の柚葉が居ます。

何故居るかって?

それは木野 りんの件です。はい。

大きい柚葉事、松塚 柚葉は大体の事は知っているので、さほど慌てた様子はないですが、小さい柚葉事、若葉 柚葉は慌てた様に俺に聞いて来ますよ。



「お、お、お、お兄ちゃん!それ本当なの!」



ズイッと俺の顔に慌てた様な表情で、自分の顔を近づけますよ。

しかし小さい柚葉さん、その大胆な行動、と驚きの姿、貴女は本当に小学六年生?て思わず言ってしまうぐらいです。

で、事の説明を順を追って、二人に説明しました。

木野 りんに対しての俺の気持ちも。



「ふ〜ん(疑がいの目)お兄ちゃん、本当にその木野 りんて人の事、なんとも思ってないんだ(更に疑いの目)」

「当たり前だろ!俺はお前らだけだから!」

「けど、りんご、お兄さんの事かなり気にかけていたわよ(嫉妬の目)」

「えっ?それ本当かよ(満更でもない顔)」

「何ニヤついてんのよお兄さん!りんご、本気みたいなのよ!」

「いっ!(少し悩み顔)」

「お姉ちゃん!それ本当なの⁈」

「ええ、間違いないわ。帰りにりんご『今度会えたら告白してみる』なんて言っていたから」

「えっ!マジ?」

「マジよ!(怒り)で、どうするのよお兄さんは!(更に怒り)」

「こ、断ります(焦)」

「どうやって!(怒り)」

「す、好きな人がいますって‥(焦っ)」

「はあ〜っ」

「なにお姉ちゃん、ため息してるの?」

「お兄さん、本気で恋したりんごの姿知らないからそんなに簡単に言えるんだ」



大きい柚葉はまた深い大きなため息をすると、俺と小さい柚葉はわけわからない様な表情をして、お互いを見た。



「どう言う事か、説明してくれないか?柚葉」



で、柚葉が話す。柚葉自身も直接見たわけでわなく、本人から聞いた話なのでと付け加えて話し出した。

それは、木野 りんが中学三年に上がってすぐの事、独身の担任の男の先生に恋をし、直ぐに木野 りんは告白したが、あえなく断られた。そりゃあそうだ。相手とは20以上も年が離れて、しかも教師と生徒。ドラマじゃあるまいし、そうそう上手くいくわけない。


けど‥木野 りんは諦めなかったとか。

で、その告白が卒業まで続いたとか。

そして、卒業式の日にその男性担任から、来月結婚すると言われて、それで諦めたがついたと。


因みに担任が結婚する事は、りんは夏休みの頃には知っていたて。いつその担任が結婚するかまでは知らなかったみたい。にも関わらず、告白は続けたらしの。



「つまりはものすご〜く執念を持った子に俺は惚れられたと」

「そう言う事よ。で、どうするのよお兄さんは?」

「どうするって‥誠意を持ってお断りするしか‥」

「お兄ちゃん、それで通用すると思うの?」

「はあ?なんでだよ」

「お兄ちゃん、女心わかってない!」

「わかってないって‥」

「あのね、お兄ちゃん、本当に好きになったら今の女の子は何度もアタックするわよ。無論私も」

「そうねー。私もお兄さんに相手が出来るまでは何度もアタックするわよ」

「う〜ん、そんなもんですかねー」

「「そんなもんです!!乙女がわかってなぁーい!!」」



物凄い形相で俺、二人の柚葉に睨まれながら言われましたよ。

で、台所の方で聞いていた由奈はクスクスと笑いながら、何かを作っています。



「由奈さ〜ん(涙目)たすけてくださいよ〜(涙目)」

「ウフフ、フミ君。こればかりはね〜。フミ君自身でなんとかしないと、ね♡」

「そんな殺生な〜(涙目)」



で、そんな由奈は梨をむいて、居間に居る俺達の前のテーブルにむいた梨を皿に乗せトンと置くと「召し上がれ」と言う。

が、その時大きい柚葉が由奈の左手にあるものに気づいた。



「ママ、それって‥」

「あっ、これ?フミ君に買ってもらっちゃた♡」

「「えっ‥‥‥‥‥‥」」


二人の柚葉は「なんで?」みたいな表情で、俺を横目で見ますよー(焦っ)



何かやばい空気がーーーー(焦っ)


「お兄さん!(激怒!)」

「お兄ちゃん!(激怒!)」

「はい!(焦っ)」

「「どう言う事か説明してくれるんでしょうねえええ!!(大激怒!)」」



この後俺は、二人の柚葉と言う乙女の逆鱗に触れた?為に散々「なんで?」と言われました。

そして、二人の柚葉が時間が合う日に指輪を買う約束をしてしまいましたとさ。

めでたし、めでたし。は二人の柚葉だけ。

俺は‥‥‥こりゃあー、四万だけではすみそうもないですよ。トホホ(泣)。







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