第22話 由奈との二人だけの休日
結局、寝ていた(狸寝入り)俺は、不意打ちに由奈に唇にキスされた。
そしてその日の午前中、俺はベッドに横になりながら、天井をボオ〜と眺めていた。
「由奈も随分と気持ちに余裕が出てきたのはいいが‥‥‥俺の気持ちが‥揺らぐ‥」
気づけば、既に時計の針は、午後1時半を回っている。
このままベッドに横になっていると、由奈の事を考えてしまいそうになると思い、俺はベッドから出てリビングへ。
「あら、おはよう。よく寝れた?フミ君」
「あっ‥‥‥おはよう‥ごさいます。‥///由奈さん///」
俺がリビングに入ると、いつも通りの挨拶をする由奈に、俺は挨拶をして由奈の方を少し赤面しながらチラリと見る。
そんな俺を由奈は「?」とした顔で、俺を見て
「どうしたの?フミ君」
「えっ?あっ!な、なんなんでしょうねぇ」
「うん?。フミ君、お昼過ぎているけど、このままお昼ご飯にする?それとも軽いのがいいかな?」
俺のぎこちない返事に、由奈は首をかしげるが、いつもどうりの優しい笑顔を俺に向けて話してくる。
因みに、由奈達親子と一緒に暮らすようになって、由奈が毎日欠かさず俺の食事の用意をしてくれる。
俺は「無理しなくていいですよ」と言うが、由奈は「働けない以上は」と、食事や洗濯までしてくれる。
まだ、精神的に不安定なのかは本人しかわからないが、俺や明菜さん達の間では、もう大丈夫なぐらいだと由奈が言っていた。
確かに今の由奈は、大丈夫なぐらい明るく元気だ。
だからなのか‥‥‥
そんな由奈を見ていると、さっきのは夢ではないのか?と思えてきてしまう。
「どうしたのフミ君?どこか調子が悪いの?」
「えっ!‥い、いえ!調子は悪くないです!うん!あっ‥と、軽いのでいいです。パンとコーヒーで‥」
「パンとコーヒーね。ちょっと待っててね」
やはりいつも通りの、優しい笑顔で話す由奈。
『さっきの事覚えてないのか?』
俺は心の中で呟くと、由奈を見つめていた。
そんな由奈は台所に立つと、手際よく何かを作り出した。
俺は台所に立つ由奈を見て、
『こういう女性に憧れるのかな〜』
そうまた呟くと、由奈が牛乳が切れかかっているのに気づき、冷蔵庫の中を見ながら
「フミ君、牛乳が切れたから、今日暇なら買い物付き合ってくれる?いつもは明菜が車を出して‥‥‥どうしたの?」
冷蔵庫の中を確認して話す由奈が、俺の方を振り向くので、由奈を見つめていた俺はそれに気づかないでいた。
「フミ君?」
「えっ‥あっ!な、なんでもないですう!」
「うん?‥フミ君、今日暇?」
「えっ、あっ!暇です!うん!暇ですよ!」
「じゃあ、買い物付き合ってくれる?」
「あっ、い、いいですよ。だったら車出しますね」
俺がまだ慌てるような感じで受け答えをするので、由奈は首をかしげるが、
『由奈さん、自分のさっきした事に本当に気づいてないのか。それとも俺は遊ばれているのか?』
そう思いながら、先に出されたコーヒーをすすりながら考えていると、
「お待たせ。ハイどうぞ♡」
由奈は俺の目の前にトーストと目玉焼きをテーブルの上に置くと、由奈は俺の前の椅子に座る。
そして、テーブルに両肘をついて顔を両手で支えると俺を見つめながら、
「なんだかいいわね、この感じ♡」
「えっ?この感じって?」
「私が作った食事を、フミ君が食べているの♡」
「グフッ!‥喉にパンが‥」
「大丈夫!」
「だ、大丈夫、です」
パンを喉に詰まらせた俺の背中を摩る由奈に、俺は大丈夫と言う。
由奈は俺を見て安堵のため息をすると、由奈は真剣な表情をすると、今の気持ちを口にだした。
「やっぱり///あなたの事が好き///」
と。
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