第10話 事件の行方
神奈川県警察本部ビルより1時間ほどで横波署へ到着し、江草刑事は、当時の失踪係であった水上刑事に会った。
水上刑事は、
「これは、初めまして。江草刑事さんですか。今回、あの日内新聞記者瀬野 義之の失踪の件ですね。あれは、去年の夏8月3日の昼過ぎ頃、彼は実家たしか愛媛県
出身の一人暮らしということで、同僚の杉蔵 太から届け出がありました。その当初私が担当していた書類関連が、こちらです。どうぞ。」
と江草刑事にそう言い、渡した。
江草刑事は、
「これは、ありがとうございます。少し、書類関連の閲覧は、当日扱いでハードル
問題ないと思いますが、後日私のPCにアップロード願えますか?極秘ですし。」
と言った。
すると、水上刑事は、
「書類係に伝え、そうさせて頂きます。」
と快く返事してくれた。
そこから、しばらく水上刑事は、当時地元のもう解決済みの窃盗殺人事件で多忙の中、捜査員3人と共に彼の一人住まいのアパート近辺の聞き込みなど行ったが、2か月しても有力な手掛かりが全くなく断念せざるを得なかったと語った。
その中で、気がかりな点はなかったかと江草刑事が言うと、水上刑事は、近所の住民も不思議がっていたことで、彼が休日によく川沿いで仲良くジョギングをしていたある一家と、ある日アパート近くで大喧嘩していたのがあげられると言った。
その一家は、有名企業の役員で勤務しており当時の事を聞いても、ただジョギングを一緒にしていたが、週末の予定のことでもつれただけだと聞いたがそんな程度の喧嘩だったのかなと少し疑問に感じたと水上刑事は言った。
これは、亡くなった島中刑事も知っていたことか確認すると、水上刑事はそういえば伝えていないと言った。もう二か月前に、来藺刑事には横波署管轄の書類関連を送信済であり、この内容の記載では(ジョギング仲間の有力企業の役員ともめごとあり?)と記入してあるのみで関心が少なかったか今後の予定だったのかもしれないと水上刑事は言った。そして、それよりも生前の彼からの連絡では、最近の同僚変死関連の記載事項にある通り日内新聞社発行の当時よく永田町を騒がせていた元交通大臣峰岸昭信氏の企業買収の収賄事件関連のことで張り切っていると聞いた
らしい。
一時間半ほどして、江草刑事は、水上刑事に礼をして今後私が頑張ると伝え横波署を出た。
江草刑事は、車で神奈川県警本部へ戻る途中、今さっき聞いてきた横波署の水上刑事の話を思い出し来藺刑事は、生前こんな追跡を試んだ?否、こうかなあと色々と考えていた。
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