第6話 事件の結末は、いかに・・・・
そして、彼のマンションへ行って江戸川橋区区役所へ行くと15年前に妻を病気で亡くし、一人息子も区役所勤務中、交通事故で亡くしているという悲運も知ってしまってその元警視庁の人物を追跡するという複雑な心境にもなっていたが、こんな非行を1日も早く止めなくてはと次に向かった。1日中江戸橋区内を走り、レンタル車の店を回っていった。沼津氏の写真や被写体映像を見せたが、反応はどこも無かった。そうこうするうちに、夕方になり、電話がかかったきた。先ほど伺った江戸橋署の飯嶋課長からだった。木塚 文雄についての情報だった。データーを個
人のPCへ送信したとのことだった。早速、車を止めPCを開くと木塚氏は年齢27歳で、都内高校出身で5年前に大手運輸会社を辞め、居酒屋で通行人を殴り蹴り2カ月の重症を負わせたとデーターにあった。その被害者のデーターも記載されていた。被害者は、千葉県在住で、今は、千葉県警で勤務とあり江草刑事は、驚いていた。その男性は、秋生 洋定という巡査であった。早速、夕方遅くではあったが、
千葉県警本部へ連絡し、今は、展風署に在任中であると聞き明日朝早くから会って
くれると確認した。そして、帰路へと急いだ。
翌日、朝早くから千葉県の展風署に向かった。2時間ほどして、展風署に着き、交通課に伺い、秋生巡査と当時の傷害事件担当の肥尾巡査係長と相談室へと通してもらった。当時の事件は、秋生巡査が、都内の私立大学時代の同級生と居酒屋で話してると、そんなに騒がしくしてないが、店を出ると、突然殴られ蹴られたということだった。同級生たちが、必死に止めどうにか収まったが、かなりの怨念深かったことを今も鮮明に覚えてると話してくれた。事件を担当した肥尾巡査係長の話によると、彼の家庭状況は、複雑で兄が小学高年に突然交通事故に会い下半身不随になり、当時の生活状況から彼の身は叔母の元へ預けられていたらしい。そして、高校を卒業し、大手運輸会社へ就職していたが、最愛の恋人を通り魔に襲われ亡くしてから彼の人生は狂い始めたらしいと話してくれた。それを聞いて、江草刑事は、あっ、やはりそうかと痛感した。こんな事件で傷害事件起こし、しかも全治2カ月の暴行には、それなりの根本的原因があると考えていたところだったためである。
昼過ぎになり、江草刑事は、展風署を去り、肥尾巡査係長から
小塚 容疑者の以前の居住地である千葉県梨接市へと向かった。そして、梨接市市役所へと伺うと親切に職員が対応してくれ納税状況からほとんどが日雇い労働であった。そこから、3年半前にアパートを去ったと推測できる。その後、梨接市労働局へと向かった。たまたま多忙で1時間ほどして対応してくれた。そこから、
市内の繊維工場勤務であることが分かった。早速、繊維工場の総務人事課へ協力を依頼した。すると、常時携帯していた被写体画像と親しかったと思われる人物の登録写真データーと照合すると2人が似通っていた。やっと犯人像に追いつけたためか江草刑事は、ふうとため息をついた。
夕方になりマンションへ戻り、浅錬署に近日の報告を
すると、2時間ほどして、早速浅練署の三角署長より連絡があった。内容は、明日にも埼玉県警・警視庁共同チームを立ち上げ、江草刑事自身は、チームからはずすとのことだった。今後この件には、関わるなとのことだった。十分捜査努力してくれ、焦点をしぼりこめたが、念のためにもこの件は、はずすとのことだった。
連絡を聞いて、江草刑事は、ほっとした気分で窓の外を眺めながらお茶を飲んでいた。被疑者の被写体画像と昨日の繊維工場の雰囲気からもかなり身に危険を感じていたためだった。
そして、1か月近く経て犯人が、埼玉県の細出駅近郊のアパートで取り押さえられこの事件は、終わった。その報告を江草刑事は、別の事件を追跡中聞き、入念に捜査からはずしてくれた三角署長に近日中に感謝しに伺おうと考えた。
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