第3話 追跡の途中なぜゆえに
ふと、時計を見てこんな時間だとドキッとしたが、江草刑事は、
「そうか、今日は、土曜日だ。休日だ。」と心でつぶやき、ここからそんなに離れていない前から一度行きたかった埼玉県では観光地で有名な川越の宿場町を今日は、行ってみようと考え、車に乗り向かった。一日貸し切り駐車場に車を止め、宿場町に並んでいる色々な店を見て江草刑事は、豆屋がこの町は多いなあと感じていた。そして、少し昭和時代を醸し出すような喫茶店に入った。
「うーん。今日は、せっかくの休みの日だしゆっくりこの辺りを楽しんで明日日曜だが、明日から行けるとこまで頑張ろう」とつぶやきながら新聞を読み、珈琲を飲んでいた。そして、ここしばらくお疲れ気味かそのまま昼前にもかかわらず眠ってしまった。昼になったためか、店員が、とんとんと江草刑事の肩を叩き、
「お客さん、お疲れさんです。お昼、何になさいます。」
と言われ、
「うーん。あの貼り紙にあるカレーライスをお願い。あっ、起してくれてありがとう。」
と江草刑事は、答えた。そして、カレーライスを食べ店を出た。しばらく歩いていると変わった何かが宿場町を見渡すように立っていたので気になり向かっていった。近づくと、この高い目についたのは、かの有名な時計台だと江草刑事は、初めて知った。変わった建物だけど昔のまま保存されているのを見て彼は、今必死
に追跡中の沼津氏の犯行目的はひょっとすると単なる人質交渉でなく金銭目的でもなくあることを彼なりに思いついていた。そして、宿場町をしばらく歩き、次に川越城を訪れた。当日は、休日もあり多くの人が観光に来ていた。少し大広間に江草刑事は座り、お茶を飲んでいた。そして、しばらく今回の事件について黙
祷をし、色々と考えていた。そして、3年前の江戸橋区での人質事件がなぜたった3日後に解放されたか以前に収集した基本情報ファイルからイメージを思い浮かべていた。人質になったのは、江戸橋区に引っ越ししてまだ2週間わずかの若い男性であり、背後から拉致され即座に目隠しされ犯人像は、はっきり知らない
との証言があった。解放は目隠しされたまま、1分たてばはずしていいと言われたまま気が付けば江戸橋区の区役所の裏の駐車場で夜中の2時だったとも記入されていた。この人質事件の脅迫の連絡もなく、なぜ関与の疑いが出たかというと目隠しとこの誘拐された人質になった男性のズボンと今回の埼玉県の殺害された人質のズボンに同じ粘着した作業服の体内DNA反応が出たということだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます