03.冒険者ギルド

俺は重大な事実を見過ごしていた。ハーレム築くとか、魔王倒すとか以前に幸運が低すぎてモンスターに攻撃が当たらねえ。それに幸運が低すぎて幸運の種が見つからない、本末転倒だ。

早速女神マリアにクレームだ。


 「おいレベルカンストしてても幸運が低すぎて攻撃当たらねえぞ」


 「それは困りましたね大丈夫ですか?」


 「大丈夫なわけねーだろ。何とかしろ? 異世界転生させておいて酷い仕打ちだな」


 「解決策はあります。ユニークスキルを使用してください、ユニークスキルはステータスには囚われない仕様です」


 仕様ってゲーム世界かよ。まあいいもう一度ステータス画面を確認するか。


 「ステータスオープン」


 何か言葉に出すと恥ずかしいな。厨二臭さを感じる。前世の俺の黒歴史を思い出すぜ。


 空中に俺にしか見えないステータスボードが出現する。



 ステータス

 レベル:∞

 名前:イズモ・リゼル・アルフォード

 種族:人族

 武器:鋼の剣

 防具:布の服

 職業:チーター


 攻撃力:∞

 防御力:∞

 魔法力:∞

 俊敏性:∞

 幸運 :1


 ユニークスキル:視認強奪ストック


 スキル説明:視認した対象の能力を奪うことができる。無限ストック。


 アイテムボックス:アイテムなし



 確かに存在するな。ユニークスキル:視認強奪ストック


 俺はスキル説明を読んで驚愕した。失明しない限り最強じゃん。


 いやまてよ、幸運が低すぎて失明したりしないだろうな、本当に運が低すぎるステータスって欠陥ステータスじゃねえか。


 「あったぞ、失明しないだろうな」


 「大丈夫です。防御力がカンストしていますので、病気や怪我に苛まれる事はあり得ません」


 俺はホッと一息ついた。良かった~、前世でも患うことは無かった重大な病気になんかなったらたまったもんじゃねえ。


 「ユニークスキルで戦えば大丈夫だと」


 「はい。では私はアニメを見るのに忙しいのでこれで失礼します」


 何してんだこの女神!? アニメなんか見てる場合じゃねえだろ。


 「因みに何のアニメを視聴で?」


 「五つ子と主人公の恋愛アニメです。最高傑作恋愛アニメです」


 「前世で俺が最終回視聴前に死んだアニメじゃねーか」


 「それは残念です。では失礼します」


 いいな~、俺もアニメ見たいな~。まあこの世界の美少女はアニメ以上の可愛さなので、現実でハーレム作りますか。


 「ラミル俺ハーレム作るよ」


 「それでこそ男です。先ずはイズモ様に見合う美少女をお探し致しましょう」


 「じゃあラミル俺のハーレム要因になってくれ」


 「駄目です。私はあくまで専属メイドですから」


 振られた、振られたぞ、さり気なく告白を躱されたぞ。


 「何でだよ? ラミルは超美少女だぞ」


 「当たり前です。しかし私はあくまで専属メイドですから」


 超美少女なのは認めるんだな。紫色の綺麗なロングヘアーで前髪ぱっつんという俺好みの美少女なのだが。まあいい、最後に口説き落とそう。


 「じゃあ先ずはどこに行けば美少女に会えると思う?」


 「冒険者ギルドです。金を稼がなければ死にます。そのついでに美少女探しを行います。一石二鳥です、全力でサポート致します」


 こうして俺とラミルは冒険者ギルドへ向かった。



 「酒臭い……オエッ」


 「酔っぱらいしかいませんね」


 最悪だ、美少女どころか中年男しかいねえ。あとババアばっかりだ。


 このレムリア大陸の辺境の都市アルバンの人口は数千人規模の小規模都市だ。


 「別の都市を目指そうぜラミル」


 「金が無ければ餓死します。この超美少女ラミルを餓死させる気ですか」


 超美少女を強調してきやがる。嬉しかったんじゃねーか、だったら告白をOKしろよ。ツンデレかよ。


 「適当にクエスト受けよう」


 俺はクエストボードから一番難易度が高く、報酬がいいクエストを受注しようとクエストボードに貼られたクエストの詳細が書かれた紙を手にとった。いや取り合いになった。


 「何ですかあなたは? これは私のクエストです、弱者は引っ込んでいてください」


 生意気な口調の赤髪で紅蓮色の瞳のロリロリ要素満載の美少女が俺の目の前に現れた。


 少しお仕置きが必要そうだ。


 俺はニヤリと口元を歪ませた。

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