テスト
「お待たせ」
「うん。じゃあ、行こうか」
そう言う彼は、少し淋しそう。
テスト期間中、彼とはなかなか会えない。
登校の時と、下校の時だけだ。
赤点を取っては面倒だ、と期間前に話し合った結果、勉強に集中するため今は距離を置いている。
「今日のテスト、どうだった」
私が訊くと、彼は苦笑していった。
「ごめん。赤点とっちゃったかも」
「そうなんだ。実は私も」
私がそう言って笑うと、彼も力なく笑った。
きっと、二人とも補習だ。
だったら、彼の隣の席を予約しておこう。
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