写真
「はい、笑って」
私の家で、彼が言う。
「もう、そんなに写真撮ってどうするの」
「いいじゃん。可愛いんだから」
恥ずかしげもなく言う。
彼の趣味は写真を撮ることだ。
最近は私を撮ることに凝っている、らしい。
「じゃあじゃあ、これも着てみてよ」
「イヤだ。そんな露出の多いの」
私がそう言うと、彼はしょんぼりとする。
「似合うと思うんだけどなぁ」
「なんなの、こういうのが好きなの」
少し不機嫌そうに言うと、彼が言った。
「これは写真に撮らないよ。だって、まぶしすぎてカメラに映らないから。僕の目にだけ焼きつけたくて……。ダメかな」
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