小雨

小雨の降る日。

あなたの傘に入れてもらった。

「少し濡れるから、ゴメンね」

あなたの傘に入ると、そう言われた。

「ううん。平気」

隣でそう言う。

「家まで送ろうか」

「大丈夫。分かれ道まででいいよ」

二人は歩きだす。

お互いに、もう声はかけない。

分かれ道まで、無言だ。

「じゃあ、また明日」

「うん。また明日」

分かれ道でそう言うと、小雨が少し弱まっていた。

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