2【失恋】
「ねぇ、ねぇ。知ってる? 課長の恋人のこと」
(えっ! ……なんでバレたんだろ)
「うちの課の子なんだって」
(……課長と一緒のとこ、誰かに見られたのかな)
「なんでも、ロン毛の美人なんだって」
(……やっぱ、私のことだ)
「そんな子、いたっけ?」
(目の前にいるじゃん)
「見た目は、20代前半だって」
(えーっ! そんなに若く見えるかな、私って。クッ)
「あっ、わかった!」
(あーあー、とうとうバレちゃった)
「そう言えば、一人いるじゃん」
(もう、遠回しなんだから)
「ほら、来た。あの子、あの子」
(エッ!)
「ヤだ、課長と同じテーブルに座った」
(! ……って、ことは、いつも話し中は、ホントの話し中じゃなくて、拒否設定の話し中?)
「楽しそうにおしゃべりしながら、同じ定食食べてる」
(……遊びだったの? 私とは)
「やっぱ、付き合ってたんだ」
(……あの、甘い言葉も甘いささやきも、みんな嘘だったの?)
「……ね、どうしたの? 泣いてんの?」
「ん? ……タンメンの酢が目に入っただけ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます