〈白い風〉の記憶

第1話 ヴィジョンの見え方

私の場合、＂ヴィジョン＂は脈絡もなく見える事が多い。

はっきりした映像（静止画、動画 両方）の事もあるが、＂昔観た映画のワンシーンを思い出す＂ように見える事がほとんどだ。

ある日は知人と夕食中に、彼らと話している最中、心の内に映像が浮かんできた。

…大きな真っ黒い複葉機が編隊を組んで飛んでいく…私はそれを見下ろす視点で見ている…複葉機の翼には、鉄十字のマーク。ドイツ空軍だ。私の目の前には、小さなキャノピーと照準器。どうやら、私は爆撃機を護衛する戦闘機に乗っているらしい。

すると、はっきりした言葉が出てきた。『メヒナー』『リヒャルト』、これは人の名前だとわかった。

もう一つ、はっきりしない言葉…ハヒフヘホで始まり、真ん中に硬い音が入る言葉…＂ヘッケラー＂みたいな。

帰宅してから、旦那（二次大戦機には詳しい。もしかしたら一次大戦の方も知っているかも）に尋いてみた。「たぶん、〈フォッカー〉だ」との答え。

言葉の謎は解けたが、この＂ヴィジョン＂が何だったのか、未だに謎…😅