最弱であり最強な草な魔法
運蓮
第1話 最低な親 別れ
「お前なんか産まなきゃよかった」
と母が。
「死んじまえクズが!」
と父が。
僕が物心ついて最初に聞いた言葉はそれだった。
僕は今、5歳で牛小屋で暮らしている。それも裸で。
僕の親は、どちらも冒険者だ。そして、いじめ癖がある。そのため、勢いでやってしまって、僕が生まれ、それを機に、僕を人間扱いをしないで、家畜扱いをしている。
「ジンよ、りんごだ、これしかなくてすまんのう」
「ありがと、おじさん」
このおじさんは、僕の両親のいじめが発覚し、僕を助けようとしてくれる人だ。
よくご飯を持ってきてくれるし、言葉も教えてくれた。
今の僕の歳は、10歳だ。他の10歳と比べ、背も小さく、肋が浮き出て、貧弱だ。
このおじさんは昔僕に服をくれた。優しさの塊だろう。だが、親は、僕の事を家畜扱いする。
もし、みんながウシを飼ったら、服を着せるだろうか?トイレを用意するだろうか?
答えはノー。
普通はしない。それは僕を裸にすることにつながる。故に、常に僕は裸でウシと共にクソをする。親は基本ご飯をくれない。大体はウシ達が食う草を渡される。いや、投げ出される。
僕はそれを食べるしか生きる方法はないのだ。
「おい!ジジイ!なに勝手に人の敷地に入って!家畜に餌なんかあげてんだよ!クソがぁぁ!」
「それはこっちの言葉じゃい!お前達はどうやったらあんな可愛い子をあんな育て方ができるんじゃい!!」
「うるせぇぇ!!!!!黙れジジイガァ!!!」
命は簡単に消える。剣で、斬れば、死ぬし、病気でも死ぬ。ちょっと多く血を流すだけでも死ぬ。人間は脆い。
多分おじさんは殺されただろう。ここまで、血の匂いがする。
最後の、たった1人の僕の味方は今死んだ。
僕も死にたい。でも人間の本能が許さない。痛みが怖い。死にたいけど怖くて死ねない。
舌を噛めば死ねる。でも怖い。
「【生成】。」
この世界にはスキルがある。そしてそれをまとめたものがステータスという。
ステータスの中に、レベル、体力、魔力、俊敏、防御、器用の6つ要素があり、レベルはその者の簡単な強さを表示し、体力は、その者の運動力の表示、魔力は、その者のマジックポイント総量の表示、俊敏は、その者の、全力時の、スピードの数値化した表示、防御は、その者の、身体ダメージ浸透率遮断率の表示、器用は、その者の、器用さに表示だ。
そして、レベルは、生き物を殺すことによって上がるモノだ。そして、レベルが上がると自然に、他の5つのステータスも上がる。
しかし、魔力は特別で、どんなにレベルが高くても、自分で鍛えなければ上がらない。
あげる方法は2つあり、1つは、魔力をゆっくり使いつずけること。これは、持久力によって、総合魔力量が増えていく。
もう1つは、魔力枯渇による、魔力回復力、総合魔力量だ。こちらは、枯渇時に、強烈な頭痛を伴う上、気絶、怠い、目眩、嘔吐など、様々なバッドステータスになる。そのため、普通はこちらを使わない。何故なら死ぬ恐れまで伴うのだから。
そして、ジンが魔力を初めて使った日は、1歳の頃、ご飯を2日ほどもらっていなかった頃、無意識で、【生成】を唱えた。その時、ウシ達がクソをした場所から1つの芽が出た。それからずっと見つめていると、どんどん伸びて、やがて赤い実を2つ付けた。これはりんごだ。
あのおじさんがよく持ってきてくれたりんごが実った。
その頃から、お腹が空いたら、自分で、りんごを作ることができる。
まぁ、りんご以外も作れるが、簡単に作れて、生で食べれて、美味しい。りんごが1番だ。
しかしその時は、はじめて魔力を使ったことと、まだ幼かったため、気絶した。
そのため、その時の記憶がない。その時どうやって生きたか、どうやってりんごを食べたか覚えていない。
「よし!できた」
しかし、生きていればいい。
そこにはまた地面から小さな木が生え、赤い実が10個ほど出来上がっていた。
昔から、ずっと、毎日のように、りんごの木を作りつずけている。そして、食べきれなかったものは、ウシにあげる。
そして、全て取り終わったりんごの木は役目を果たしたかのように、枯れて、土になった。
これで親にはバレない。むしろバレたら、もっと酷く家畜扱いされるだろう。
「おい!ジン!!乳搾れ!!さもなくは殺すぞ!!」
そう呼んでくるのは父だろう。ウシの乳を絞ってバケツに入れて、親に渡す。そうすると草がもらえる。いらないが。
そんな毎日だが、僕、いや、俺は、15歳になるまで耐えて、耐えて、耐えて、そして、こんなに
俺はおじさんよりも、この世界の誰よりも優しくなって、世界中の子達を救ってみせる!
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