第3話 作戦会議
次の日から二人は試行錯誤することになったのだが、
上手い解決方法が見つからず時間だけが過ぎていく。
そして初日から3日目の夜のことだった。
「駄目だぁ! 全く思いつかん、 てかそもそも学生の身である俺にこんなこと
出来るわけがないいんだよなー 」
「喋る余裕あるなら考えてよね、 筒城さん 」
「そうは言うけどさ、 それなら綾葉は良い案思いついたのかよ 」
「私はこれから考える所だったのよ 」
筒城に話しかける少女こと、
両手で頭を押さえながら苦悩するポーズを見せていた。
その姿は本気で悩んでいるようにも、この状況を楽しんでいるようにも見えたから
筒城は不思議でたまらなかった。
「時間があったとしても厳しいんじゃないのか、それに
部外者がとやかく口を出していいのかよ 」
「わー、 今更そんなこというんだー、せっかく私が一週間に宿泊伸ばして
あげたのにー 」
「彩葉さんや、 もしかしてと思うけどこの状況楽しんでるって
わけじゃないよね? 」
「へっ!? いやいやいや全然全然!! 」
あからさまに動揺を隠しきれてない綾葉が物凄く気になったが、
それよりも打開策が思いついてない今のこの現状をどうにかするほうが
優先されていたため、 彼女の考えを後回しにする。
「全く・・・ 他人が口をだしていいレベルの話じゃないんだよなそもそも。
責任持てねーぞ流石に 」
「・・・ それだぁーー!! 」
「うぉっ!? 何だよ急に 」
突然何かを閃いたかのように飛び上がった小谷鳥は筒城を
指さして、 婚約宣言をしてきた。
「私の旦那さんになりなさいよ! 」
「ゲホッゲホッ。 何をいいだすんだよ 」
「勿論フリよ! 婚約ってわかったら離婚どころじゃないでしょ?
それでうやむやにしてしまうの! 」
「それ、 本当にうまくいくと思うのか? 」
「もちろんよ、 だから協力してよね! 」
現時点で良い案の思いつかない筒城は渋々その提案に
乗ることにした。
とは言え、 婚約ということがどういうことなのか十分に理解していたため
筒城は多少の恐怖も覚えていた。
「そうと決まれば早速お母さんたちに! 」
「ちょっっっっと待て! 流石に早すぎる! 会ったばかりで早々そのことを伝えたら冗談だと捉えられるぞ 」
「それもそうか・・・ んーじゃあどうしようか・・・ 」
「今の話を聞いて俺なりに作戦を立てて見た 」
そう言って筒城は小谷鳥に作戦を説明した。
最初は不安に思っていた様子だったが話を聞いていくうちに
やってくれる気になったようだ。
離婚という重大な危機を前にして出来ることはどんな些細なことでも
やってやろうという彼女なりの決心が現れているようでもあった。
そして次の日からその作戦は決行されることとなった。
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