髪の秘密
影宮
獲れるか?
「長、才造さんと頼也さんが髪を切らない理由ってなんです?」
夜影はケラケラと笑って手招きをする。
するとスイッとその手に吸い寄せられるかのように才造と頼也が夜影の傍まで身を置いた。
そして夜影は二人の白と黒の髪を両手に小首を傾げる。
「武士じゃぁないんだけどさ、『この首獲れるものなら獲ってみろ』っていう挑発なのさ。」
部下は成程と目を丸くした。
この二人、確かに腕はあってなかなか首を落とせまい。
「この長い髪ごとこの首落としてみせなって、武士相手にゃ丁度いい。」
しかし、この二人の上に立つ肝心の長の黒髪は短い。
言葉では挑発をかけるのに、それは現れていないのだ。
「では、長は?」
「こちとらは、首を喰らうのに忙しいんでね。」
二人の髪から手を離してクツクツと笑った。
忍、武士の挑発真似て刃誘う。
刃光れば血が舞い踊り、残る首はまた誘う。
この髪と共にこの首を斬れ。
お前に斬れるか。
斬れるものなら斬ってみろ。
忍、挑発で誘う血の香り、殺気を隠して忍ぶだけ。
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