第三話 女としての価値
「よろしいのですの? ディルドなんかではなく、本物ですのよ? ちゃんと射精もするし妊娠だって……」
いいわ、と言ってルシルはズボンを下ろした。そしてコンテナに両手をつけて尻を突き出し、クロアを迎える。
クロアはルシルの後ろに立って彼女の腰に手をやると、いきり立ったものを陰部に当ててゆっくりと押し込んだ。
ふうっとルシルからため息が漏れる。巨大な強張りは意外とすんなりルシルの中に収まった。先端がゴリッと子宮口に当たるがそれでも全体の三分の二ほどだった。
「意外と濡れてますのね。それによく締まってますわ。さあ、いきますわよ?」
クロアが挑発するように言って、ゆっくりと腰を引く。股から異物が抜かれていく感覚がルシルを痺れさせる。それが全て抜かれる直前、今度はズルッと中に突き込んだ。
「くふっ!」
腹の中を打ち据えられるような違和感。一瞬、余りの大きさに入り口が裂けたり膣が壊れたりしないか不安になる。しかし抜いて突く、をゆっくりと何度も繰り返されると、股の中が擦れる感じが、奇妙なじれったさをルシルにもたらせた。
クロアの腰使いが徐々に早くなっていく。ルシルの全身が熱く、そして膣から広がっていく波が体の内側で反射してたまらなくなっていった。
「はあ、はあ、よく濡れて、絡みついて来ますわ……いいですわ! わたくし、あなたと一度こうしてみたかったの。あなたのことを考えて旅の途中で何度抜いたことか……ようやく願いが叶いましたわ!」
荒い息を耳元に吹きつけながら、クロアの甘ったるい声がルシルの羞恥心を刺激した。クロアの手が服の中に入って胸をまさぐる。あばら骨の浮き出た貧相な乳房だが、クロアは慣れた手つきで揉みしだき、乳首を指先でつまんでコリコリといじってみせた。
はあ、はあ、腰の動きが激しくなっていき、そしてお互いの鼻息も荒くなった。
「あ、ああ、もう耐えられませんわ……このままで、よろしくて?」
「いいわ、中に、中に出して!」
うっ! とクロアが震えて動きが止まる。その直後、膣の中に熱いものが溢れた。硬直の解けたクロアが大きく呼吸をして強張りをゆっくり引き抜くと、今度はルシルの腰から力が失せて、そこに座り込んだ。
ゴボッと音を立てて白い液体が股から溢れ、それがしたたり落ちて床にたまる。
ルシルも少し呼吸を整え、その体液を見て言った。
「ねえ……あたし……どうだった?」
クロアが一瞬、怪訝な顔をする。
「いいのよ、はっきり言って。あたしとやってどんな感じだった?」
ルシルの求めている答えを察して、クロアがひとつため息をはき出した。
「そうですわね……普通、ですわね」
普通、ルシルがその言葉を噛みしめる。
「あなたとやりたかったのは嘘じゃないし、溜まったモノを処理していたのも本当。相手がいたのは久しぶりなのでたくさん出たけど……」
「いいわ、わかった。ありがとう。これであたしも……」
ハッとルシルが顔を向ける。そこには全身を振るわせながら、驚きと怒りに満ちたリコットがいた。
「ル、シル、ど、どうして……」
「リコット!」
ルシルはタイミングの悪さを呪った。
リコットは踵を返すと、車体から飛び降りて、そのまま走り去った。
「待って! リコット! これにはわけがあるの!」
慌てて彼女を追う。まったくついてませんわね、とクロアも走り出した。
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