第90話 未来を摑み取れ

優也は身を乗り出す…


「大丈夫なのですか?お身体は…」


「おお…婿殿…みんな…この通り…元気だ…」


「でもどうして…何故こんなに急にお加減が良くなられたのですか?」


「うむ…ナギが…」


「ナギさんが?」


「…正確に言うとナギがご先祖…エクス様のお力を得て、ワシに治癒魔法をかけてくれたのじゃ…」


「なるほど…それで…」


ナギはみんなの前に出て頭を下げた。


「皆様、本当にご心配をおかけしました…」


「でも本当に良かったね!」


優也は笑顔でナギの顔を覗きこんだ…


ナギは一瞬、赤面したが優也の目を見て言った…


「ありがとう…優也さん…」


優也はハッと思い出した…

頭の中のヴァルプルギスに向かって語りかける…


「ヴァル…そう言えばさっき黒いオーラのことでいい考えが浮かんだようだったけど…」


「その通りじゃ…優也…おそらくあの黒いオーラはガンマータで取り除けるぞよ…」


「ガンマータ?…ま、まさか…」


「そのまさかじゃ…あのチビっ子達に黒いオーラを吹き飛ばしてもらうのよ…」


優也は無邪気に遊んでいる二人を眺めた…


「ミスとリルが…」


僕はティナを見つめた…ティナは僕の視線に気づいて側に歩み寄ってきた…


彼女はニコッと笑って「あの子達なら大丈夫…貴方とヴァルさんに任せるわ…私達の未来はみんなで勝ち取りましょう…!」


僕はティナを抱きしめて深く頷いた…


「うん。また家族四人で笑い合えるように…」


「…コホン…優也よ…わらわも、そして…ここにいる全員が心を一つにするチーム…ファミリーのようなものじゃぞ!」


「分かってるよ…ヴァル…」


僕はみんな一人一人の顔を見回した…


「ようし、ミス、リル…魔法の練習をしよう!パパと一緒にな!」


「うん!!」


「わーい!パパと一緒だぁ!」


その時、アイが重々しく口を開いた…


「でも…魔法が通ったとはいえ、あの怪物を倒せるかな?」


すると…ソーディア王はアイを…いや、アイの中のパルテを見つめる…


「大丈夫じゃ…ワシに腹案がある…そのためにパルテ様はこの老いぼれを蘇らせたのじゃよ…」

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