第47話 病人?
「でも…この真珠のような結界を出てしまうと彼女に見つかってしまわないでしょうか?」
「…そなた達がその秘密基地とやらに到着するまではワシの代わりにナギが結界を維持する。それから後は我々の動向が分かったとて、奴等が動き出す前にはもうお主とナギが目的を達成しておるわい。違うかな?」
優也はこの方が味方で本当に良かったと痛感した。
流石は百戦錬磨の軍隊を統率するソーディア国王…一枚も二枚も上手である。
「
「ちょーっとまったぁぁぁぁぁ!」
ティナの大きな声がその場に響いた…
「ねぇダーリン!私も一緒に行って良いでしょ?ね、ね、ね…」
「うーん…でもね、こういうことは隠れてこっそりと…」
「プラティナよ!婿殿の言う通りじゃぞ。
そなたの婿殿を信じてここで待つのも妻の勤めじゃ!」
「えーっ!!おじ様ぁ…」
仕方なくティナは引き下がった…
早速、僕はナギさんに場所を説明して、結界を張ってもらったまま、瞬間移動で自分と愛ちゃんの卒業した高校の裏山に連れて来てもらった…
ナギさんは結界を解いて秘密基地があった場所から辺りの景色を眺めた…
「ここが…優也さんの通っていた学校ですか…山も…近くにはおおきな川もあって緑もいっぱい…素敵な所ですね。」
「ありがとうございます。」
「私も…優也さんと同じ学校に通いたかったなぁ…」
ナギさんは僕を真っ直ぐ見つめている…僕は視線のやり場に困って「あ、あの…ちょっと休みましょうか。何処か座れる所を探さないと…」
僕が辺りを見回して後ろを向いたその時、
ナギさんが後ろから僕の身体を抱きしめた…
「ちょ…ナギさん…どうされたんですか?」
「少しだけこうさせてください…」
「ナギさん…」
「ゆ、優也さんはハグしないと寂しい病だから…」
「……。」
僕はみんなの認識の中では病人らしい…
「そ、それと頑張って探しますから少しだけご褒美を…」
「ナギさん…」
その時…「コラー!何やってんの!」頭の中にティナの声が響いた。どうやらティナの魔法で僕達が見えているらしい…
「ダーリン!ナギ!さっさとやっちゃわないとミラール王国が来るわよ!」
そうだ…グズグズしている場合ではない。
「ナギさん…お願いします…」
「…分かりました…」
ナギさんは両手を広げた…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます