第4話 結婚はまだ?
マンションの玄関に車を停めて荷物を運び込む…
「よいしょ…」
「大丈夫ですか?それに…こんなに沢山揃えて頂いて…何も話さない私なんかの為に…」
「気にしないで下さい…それより管理人さんに一度ご挨拶しておいて下さいね。僕は荷物を運んでますから…」
プラティナは管理人室のインターホンを押した…
「はいはい。」
「あっ!あの…初めまして…私…」
「ああ…夕べの…」「着替えさせてもらって身体も拭いて頂いたようでありがとうございました…」
「仲直りしたのかい?」
「はい?…仲直り?」
「とぼけなくてもいいよ…昨夜、あの人にガツンと言ってやったからね…あんたの事、本当に好きだから大事にするってさ。
でも…あの人…仙石さんね…優しい人でね、私が前にギックリ腰やった時にゴミの収集場の掃除が大変でね、その時、見るに見かねたのか…僕がやりますよ!って…助けてくれたんだよ。」
「まあ…優也さん…本当に優しい方なんですね。」
「ここに一緒に住むのかい?ま、とにかく…あまり間取りは広くないけど二人なら大丈夫だろう!仲良くするんだよ。困った事があったら言っておくれよ。力になるからね…」
そう言って管理人さんは綺麗に畳んだ服を彼女に渡してくださった。「はい…ありがとうございます。よろしくお願いします。」プラティナは幼い頃の自分の祖母を思い出して涙を浮かべた。
荷物を運び終わった優也も管理人室に挨拶に来た。
「昨日はすいませんでした。」
「ああ、昨日も見たけど本当に綺麗な彼女だね。
外国の人かい?どこで知り合ったんだい?」
「いやあ…まあ…何て言うか…」
「二人とも仲良くするんだよ…結婚はまだなのかい?」
「け、結婚?」僕とプラティナさんは顔を見合わせる…「あらあら…二人とも顔が真っ赤だよ。彼女はいくつだい?」「えーっと…26です。」
「それじゃもういつでもいい年頃だよ。遅いくらいだ…一緒になって子供が出来たらきっと人生が何倍にも楽しくなるよ…上手く行かなかったものもすんなり上手く行くようになるしね…さあ!まだ片付けがあるんだろ?二人で頑張ってね!」
そう言って管理人さんは僕達を見送ってくれた。
プラティナさんは僕に「優也さんと私はお付き合いしてることになってるんですね…」
「あ…すみません…そう言わないと管理人さんに協力してもらえないと思って…」
「いえ…良いんです…」そう言って彼女は悲しげな表情を見せた…
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