面白い作品とは?①
作者読者感覚系エッセイって普通こういう話を求められているのでは!?と思ったのでお話しします。
これはあくまでも作者の個人的な考えであるということをお忘れなく。
長いです!
さて、面白い作品とは何ぞや。
これって様々な物書きが考えてきたことだと思います。
最初に言っておくとそんなものは人それぞれ違って当たり前ではあるのですが、恐らくこのページを見ている皆様の求めている答えはそんなぼんやりしたものではないでしょう。
というわけでもう少し具体的に、私なりの答えを数点ご紹介します。
①作品を読んでいる時にかかるエネルギー消費が少ない作品
つまり『読んでいて疲れない作品』です。
勿論面白い作品でも、盛り上がりで『推しキャラどうなっちゃうの〜〜〜!?!?』的な展開があったりすると疲れたりすることがありますが、今回はそういった健康的な疲れのことは除外しております。
ではここでいう疲れとは?
例をいくつか挙げます。
例えば、物語の一番最初に似たようなキャラが一気に十五人くらい出てきたとしたら。
覚えられるかいこんなん!となりませんか?
勿論順々に深掘りしてもらえればしっかりと覚えられるのですが、私はそれがなければ正直読む気をなくします。
それは覚えるのが疲れるから……というだけではありません。
見た目という個性がパッと見で分からない『小説』というカテゴリーでは特に顕著ですが、作中に突然「〜って話をAから聞いてさ」というような文章が出てきたとき、そのAが誰なのかパッと出てこないということがまずストレスなのです。
作中で『あぁ、××の時〇〇していた彼か』というように情報が添付されていれば良いのですが、それがなく話が続けられて展開されてしまうと、私はどうしてもムズムズしてしまいます。
それはもしかしたら、これまで入り込んで楽しんでいた世界から急に弾き出されたような感覚……つまりは疎外感にも似ているのかもしれません。
そして『そういえば過去に名前だけチラッと出てきたな〜』みたいなキャラって、どこに出てきたのか探すのもまた大変で……。
小さな手間ではあるかもしれませんが。
長くなってまいりましたので、ここら辺で次の『疲れ』例を挙げましょう。
価値観が全く合わない作品って、読んでて『ん?』って思いませんか?
勿論『価値観がおかしい』というのがチャームポイントのキャラもいますよね。でもそういう話ではなく、今回は“作品全体的に”価値観が合わない時の話です。これは読み手書き手のの好みによるところがあまりにも大きいので、面白い作品を書きたい!という時に参考にするのは難しいかもしれませんが。本当に、細かいところから大きなところまで本当に様々ありまして……。
あっ!
今ちょっと眉根を寄せたあなた!
そんなあなたは今、『これだけ全く改行がないと読みづらいな……』『先頭字下げしてくれないと読みづらいな……』なんて思いませんでしたか?
それもまた、作品全体と自分との価値観の違いです。
この種の価値観の違いですと、『』等の強調用括弧を沢山使うか使わないか、改行による数行の間を開けるか開けないか、ルビの有無……などなど、結構なものがありますね。
この他の価値観が合わないというパターンは、恐らく皆様が一番に思い浮かべたもの……そう、キャラクターの価値観です。
分かりやすく言うと、『ここでこういう判断にはならんやろ!』というようなものですね。
キャラ各々の背景や価値観があるから……というなら分かりますが、ごく一般的な家庭で育ってきた平凡な学生!という設定のキャラクターが前説明も何もなく異世界に飛ばされて混乱も困惑もせず『ここはどこだろう……とりあえず食べ物を確保しよう』とか言い出したらこっちがビックリしません??
そういうことです。
作中で『当たり前』扱いされている価値観が自分と違うと疲れます。
知らないことを反発なく自分の中に受け入れる為にはそのことを理解する必要があって、理解するという行為はエネルギー消費を伴うからです。
落ちている磁石を別の磁石にくっつけて拾いなさい。ただし、落ちている磁石の極は磁石で調べてはいけません。
と言われていると思っていただければ説明がしやすいですね。
落ちている磁石の極を知らなければ、別の磁石にくっつけて拾うことは出来ません。
しかしそれを調べるためにはちょっとした手間や時間がかかります。
理解する、という行動に伴うエネルギー消費は、そういう類のものなのです。
しかもこれをしようとすると、これまで入り込んで楽しんでいた世界から急に弾き出されたような感覚に……おや?
先程も出てきたワードがまた出てきましたね!
そう!
そうなのです!!
『作品を読んでいる時にかかるエネルギー消費が少ない作品』とはつまり、『作品に入り込んだまま読んでいられる作品』なのです!!!
引っかかりに躓く度に、違和感を覚える度に、読者は正気に戻ってしまいます!!
Q.突然沼に落ちた人間は正気でいられますか?
A.否!!!!!!!!!
正気に戻るためのとっかかりがあると読者は陸に上がってしまいます!!!!!
ボルダリング出来るような違和感は必要ないのです!!!!!
NotストレスYesドボン!!!!!!!!!!!!
……ということで、作者の思う面白い作品のポイント第一弾は、『作品を読んでいる時にかかるエネルギー消費が少ない作品』……つまり、『作品に入り込んだまま読んでいられる作品』でした!
続きはまた今度書きます!!
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